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ビッグモーター、今度はタイヤをわざとパンクの不正整備。度重なる不祥事発覚もCMに出続ける“広告塔”佐藤隆太にも不信の声が

中古車販売大手の「ビッグモーター」が、工賃の水増しや保険金の過剰請求のために、客の車のタイヤにわざと穴をあけていたという、元整備員による告発が波紋を呼んでいる。

「FRIDAYデジタル」が報じたところによると、意図的にパンクさせることによって、タイヤ自体は保険が効くことが多く客側の負担はないものの、タイヤ交換の工賃に関しては1本3000円程度×4本で1万円以上の売り上げが立つということで、摩耗の激しいタイヤの際はそういった“不正”が当たり前のように行われていたようだ。

さらにその元整備員によれば、車検の際には無資格者が検査をし、書類には有資格者の名前を代筆するのが当たり前だったとのこと。このような不正が横行する背景には、本社が取り決める理不尽なノルマの存在があるといい「ノルマのためにコストや労力を切り詰める中で、仕方なく不正を行っていた」と元整備員は話しているという。

本社からの理不尽なノルマが遠因か

中古車の売買のみならず、車検・修理・損害保険などのニーズにも自社対応することで多くの顧客を集め、短期間で急成長を遂げたビッグモーター。

俳優の佐藤隆太さんが出演するTVCM、さらにFMラジオなどでも頻繁にCMが流れるなど知名度は抜群の同社だが、そのいっぽうで不祥事が取沙汰されることも尽きないといったところ。昨年だけでも展示車とみられる車両をナンバーを付けず公道を走らせていたことが発覚したり、また中古車を買ったらタイヤの表面がツルツルだったなどの話が、大きな話題となったことも記憶に新しい。

【関連】ビッグモーターに浮上した「ナンバー無しで公道走行」疑惑。「つるつるタイヤ」販売や強引すぎる営業など悪評が噴出も大手メディアはスルーか

さらにビッグモーターといえば、大手損害保険会社に対して車両修理費用の水増し請求を組織的に行っているのではないかという疑惑も、かねてから噂されている状況。今回の件でも、タイヤをわざとパンクさせた上に、実際は安価なタイヤに交換したにも関わらず保険会社には最新の高級モデルに変更したと申請し、その差額を売上としてせしめるといった不正が行われている……との話も出て来ているところだ。

このように大きな波紋を呼んでいる元整備員の告発なのだが、その人物が勤めていたという熊本市内にある「ビッグモーター熊本浜線店」に対しては、車検の一部を実施せずに車両を合格させていたとして、今年3月に九州運輸局から行政処分が下されたばかり。

具体的には、2020年12月以降に車検を実施した車両のうち58台に関して、スピードメーターに関する検査を行っていないにもかかわらず、整備記録に虚偽の記載をし適合証を交付していたということで、同支店に対しては指定自動車整備事業の指定を取り消し。さらに不正行為に関わったとされる自動車検査員2人の解任命令も出るなどの、厳しい処分となったようだ。

ちなみに検査が行われなかったのは4駆や外国車といった、スピードメーターの検査が通常より面倒で時間がかかる車種ばかりだったといい、元整備員の告発にもあった通り、本社からの理不尽なノルマにより、コストや労力を切り詰める必要に迫られていたことが、このことに関しても遠因となっているのはほぼ間違いなさそうである。

テレビ・ラジオは絶対に報じないビッグモーターの不祥事

車検に関する不正は、これが横行してしまうと車の持ち主であるドライバーの生命に関わる事態にも発展しかねないということで、かなり由々しき問題であることは言うまでもない。

また、タイヤをワザとパンクさせることに関しても、客側に必要以上の工賃を負担させているうえに、それを口実にした保険金の過剰請求が横行することで、結局のところはドライバーらが払う保険料の高騰にも繋がるわけで、SNS上を見ても「完全に犯罪行為」「器物損壊の気が」「憤りしかない」などとビッグモーターに対する怒り、あるいは呆れる声はかなり多いといったところ。

ただ、これも度々指摘されているのだが、ビッグモーターといえば各メディアへの広告出稿に積極的で、特にラジオに関しては「今日もラジオが聴けるのはビッグモーターと過払い金のおかげ」といった声もあるなど、数多くの局において大量のCMを流している大スポンサー。それだけに、今回の件を報じているのも新聞や雑誌、あるいはウェブ媒体のみにほぼ留まっているようだ。

とはいえ、ここまで頻繁に不祥事が取沙汰される状況とあって、SNS上ではテレビCMに長年出演している佐藤隆太さんに対して「佐藤隆太も被害者」「自分の印象を守るためにビッグモーターのCM降りるべき」といった、そのイメージダウンを案ずる声まであがっているのだが、その反面でここまで悪評が飛び交っているにもかかわらず、なぜCMに出続けるのか……といった声もここに来てあがっているところ。

佐藤隆太さんといえば、私生活では愛妻家かつ子煩悩であることもよく知られる好人物なのだが、それほど高い彼の好感度でも間に合わないぐらい、ビッグモーターの評判はすでに地に堕ち切っているといった状況のようだ。

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