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米デフォルト回避でリスク選好ムード広がり、バブル崩壊後の高値を更新【クロージング】

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29日の日経平均は大幅続伸。317.23円高の31233.54円(出来高概算11億9000万株)とバブル崩壊後の戻り高値を更新して取引を終えた。前週末の米国市場でハイテク関連株が大きく上昇したほか、円相場が一時1ドル=140円台後半まで進んだことから輸出関連株に好影響を与えた。さらに、懸念された米連邦政府の債務上限問題で、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が原則合意したことから、デフォルト(債務不履行)への警戒感も後退し、投資マインドを好転させた。日経平均は取引開始直後に31560.43円まで上げ幅を広げ、1990年7月下旬以来の水準まで上昇。ただし、上昇ピッチの速さに加え、29日の米国や英国市場が休場となるだけに海外投資家の動きは鈍く、次第に模様眺めムードが広がった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、海運、卸売、銀行、保険など29業種が上昇。一方、陸運、食料品、小売の3業種が下落し、電気ガスが変わらず。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>、リクルートHD<6098>、信越化<4063>が堅調で、ソフトバンクGとアドバンテスの2銘柄で日経平均を約132円押し上げた。半面、ファーストリテ<9983>、アステラス薬<4503>、ソニーG<6758>が小幅に軟化した。

前週末の米国市場は、マーベル・テクノロジー・グループが30%超急騰したことなどから、他のテック株にも好影響を与え、主要株価指数は続伸。SOX指数は6%超上昇した。この流れを受け、東京市場でも東エレク<8035>やアドバンテス、村田製<6981>やニデック<6594>などが値を上げた。また、円安進行で投資家心理が大きく上向き、日経平均の上げ幅は一時650円に迫った。

東京市場はリスク許容度が高まり、日経平均は一時心理的な節目である31500円台を上回った。さすがに過熱感は強い。目先は戻り待ちの売りなどに上値の重さが意識されよう。29日の米国市場はメモリアルデーのため休場となり、短期筋の動きも鈍く、買いの勢いが鈍れば騰勢も一服するのは当然で、目先は過熱感の解消が必要だろう。一方、米国は今週、重要な経済指標の発表が相次ぐ。業況の先行きが気がかりな製造業の景況感の改善が示されれば、米国株は騰勢を強め、日本株も追随する可能性があるだけに、注目が集まりそうだ。

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