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使い道なくても増税?「森林環境税」住民税に上乗せで1人1000円徴収のずる賢さ。一度手にした財源は手放さない財務省=原彰宏

ところで「森林環境譲与税」って何?

国民からお金を徴収するのが「森林環境税」、これが2024年度からスタート。国民1人当たりの住民税に1,000円を上乗せする形で徴収します。

都道府県・市区町村に配られるのが「森林環境譲与税」、これは徴税する前に2019年から先行して配られています。

つまり、国民からお金を取るのが「森林環境税」、国が都道府県・市区町村に配るお金の名称が「森林環境譲与税」ということですね。

その配分方法は、都道府県に対して、私有林人工林面積、林業就業者数及び人口による「客観的な基準」で按分して譲与されています(林野庁HPより抜粋)。

客観的な基準……?

森林環境譲与税は、50%が「私有林人工林面積」、20%が「林業就業者数」、30%が「人口」の比率によって配分されます。

「人口」が配分要素として大きなウェイトを占めているので、森林保護のための税金は、東京都渋谷区にも支給されているのです。

森林がなくても、人口が多い自治体には多額の譲与税が配分されます。そうすると例えば、一見森林とは縁遠そうな都市部の自治体にも多額の税金が配られることになります。

渋谷区のどこに森があるのかな。渋谷区では木こりさんが働いているのかな…。

私有林や人工林の面積がゼロの東京・渋谷区では、昨年度までの3年間で4,600万円余りが交付されていますが、全額を基金として積み立てています。

実は、税徴収する前から、まるで交付金のように都道府県・市区町村にばらまきを始めた2019年度からの3年間で、全国の市町村に約840億円が配分されましたが、その47%にあたる395億円が活用されていないというのです。

その配分された多くは、基金に積み立てられたということです。

この制度っていったい何なのでしょうね…。

「復興予算流用問題」

ツイッターでは、 太陽光パネルを作るために森林伐採しているのでは?という矛盾点を指摘する声もあります。

地球温暖化のためといえば、何でも許されると思っているのでしょうか。確かに「震災復興のため」と言われれば、文句は言えませんでしたけどね。

その「復興税」の使われ方にも、怪しいものがあります。

財務省HPによれば……「復興特別所得税及び復興特別法人税につきましては、復旧・復興事業の財源に充てられることが「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」第七十二条第一項で定められております」となっています。

しかし、ネット上では「復興予算流用問題」という言葉が散見されます。「復興予算の大部分が被災地とは全く関係の無いところに流用された…」とあるのです。

かつて、復興税が、九州の観光事業や、東北とは関係にないところの橋建設に使われていたとか、防衛学校の補修に使われたという報道があったように記憶しています。

「現代ビジネス」ネット記事で、2020年3月11日掲載の「税金が驚くほどムダに…大震災から9年、「復興予算流用問題」を問う」という、ジャーナリストの福場ひとみ氏の記事を見つけました。

私の“うろ覚え”の記憶を確認するような内容になっています。

復興税の延長線上にあるかのような「森林環境税」
しかも、復興税と同額の1,000円
徴収の仕方も「住民税に上乗せ」というまったく同じ

……天引きの“住民税上乗せ”って、たしかに痛税感が薄れるような感覚ですね。

Next: 本当に必要か?所得の多い少ないには関係のない「一律1,000円徴収」

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