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『ムビナナ』チケット譲渡時に“特典返却”を要求?転売ヤー紛いのファンを増殖させる行き過ぎた特典商法に「公式が自ら作品を楽しめなくしてる」との批判も

入場特典が配布される劇場ライブのチケットの譲渡を巡り、その際にチケットを定価で渡すいっぽうで、特典に関しては“返却”を強いるという要求を行うファンが続出しているとして、SNS上で大いに物議を醸しているようだ。

今回問題視されているのは『アイドリッシュセブン』(アイナナ)というコンテンツの初の劇場ライブである『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』(ムビナナ)のチケット。スマホゲームが原作である『アイナナ』は、プレーヤーが芸能事務所で働くマネジャーとなり、男性アイドルグループを育成していくというストーリーで、主に女性らの間で人気を博しているコンテンツだ。

その劇場ライブである『ムビナナ』は5月20日に公開されたのだが、コンスタントに観客を動員し続け、公開から50日間経った7月上旬時点で興収17億2,032万8,831円、観客動員数は99万3,847人を記録するヒット作となっている。

その好調な観客動員に一役買っているとみられているのが、劇場に見に行った観客に限定で渡されるという入場特典。

ファンブックやポストカードなど様々な種類のファンアイテムを週替わりで用意し、それらをプレゼントするというもので、来週の22~28日の間に配布されるのは、すでに“第10弾”とのこと。熱狂的なファンの間では、それらのアイテムを目当てに、毎週のように劇場へと赴く者も多いようなのだ。

このように、劇場で上映されるコンテンツと同様、あるいはそれ以上に注目を集める格好となっている入場特典だけに、上記のような要求を行う者が続出しているというわけだが、
チケットを譲る側の多くは定価を要求したうえで特典は返却を求めるという、ある意味で虫の良すぎる要求をするケースが散見されるということで、ファンの間では「性根腐りすぎてる」「クズ野郎」などと、怒りの反応が続出しているということのようなのだ。

無料配布の特典が某フリマアプリで7万円に

実際、これらの入場特典に関しては、ご多分に漏れず某フリマアプリに大量に出品されているようで、例えば7月上旬に第7弾入場者プレゼントとして配布された“メモリアルフィルム”は、1枚がなんと7万円近くで売れたというケースもあるよう。

これらの入場特典だが、1種類のアイテムを配布する場合もあるいっぽうで、キャラクター違いなどで数種類のアイテムを用意し、それらをランダムで1枚渡すといったこともあるようで、入場者は必ずしも自分の“推し”であるキャラのアイテムが必ず入手できるわけではない。

さらに、そんな入場特典も配布数には限りがあるわけで、特に今回取沙汰されている『ムビナナ』に関しては、その配布数が異様に少ないのではと、ファンの間から不満の声も少なからずあがっていたようなのだ。

それだけにファンの間で入場特典の価値が暴騰し、某フリマアプリにおいて高値で売買される事態に至っているわけだが、当然そういった事態を見込んで、『アイナナ』のファンでもないのに転売目的で劇場に足を運び、入場特典を手に入れて売り捌くといった、いわゆる転売ヤーと呼ばれる輩らも、この“狂騒曲”に大いに絡んでいるのでは……といったことも大いに考えられるところ。

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どの界隈にも現れては蛇蝎のごとく嫌われる転売ヤーなのだが、今回“特典返却”を要求した者に関しても、その虫の良すぎる要求からしてみても、明らかにファンではなく、やはりその手の類なんだろう……との見方が、ファンの間でも広がっているようである。

チケットは売れるも上映中の劇場はガラガラ?

今回の件で取沙汰されているような、ファンにとって魅力度が高く後に価値が暴騰しそうなアイテムをある意味での“エサ”にして、何度も来場を促すといったやり方は“特典商法”と呼ばれることも。

コアなファンが多いコンテンツにおいては、今や常套手段といった手法なのだが、いっぽうでつい最近では、あの超メジャー作品である『ONE PIECE』の劇場版においても、国内興収200億円超えを目指した終映間近のタイミングで入場特典の乱発を行い、ファンをドン引きさせたうえに、結局のところ国内興収は197億円に留まったという、なんともトホホな出来事もあったばかりだ。

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『ムビナナ』に関しても、まさにその王道を行っているといった感じなのだが、あまりにも入場特典のアイテムが魅力的過ぎたのか、チケット自体は売れに売れているハズなのに、上映中の劇場はガラガラといった事態が各地で発生している模様。

というのもファンの間でも、特典だけもらって映画を観ずに帰る者、あるいはチケットは取ったものの特典の配布が終了してしまったために観に来ないといった者が結構多いようなのだ。

上映されている作品の扱いが、まるで過去の「ライダーカード」や「ビックリマンシール」のお菓子同然といったところで、しかも配給側も、興収さえ稼げればいいといった本音を隠すことなく、そういった状況を半ば誘因しているという、なんとも悲しすぎる事態に、ファンの間からは「公式が自ら純粋に作品を楽しめなくしてる」「特典商法はまぢで無くした方良い文化」との声も、ここに来て少なからずあがっている状況のようだ。

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