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劇的円安放置国家ニッポンで上級国民以外は貧乏に。日銀が周回遅れの利上げに動けばさらに悲惨に=今市太郎

円安が過度に進み過ぎて、財務省が大金を投じて介入しない限りその勢いが止まらない状況に陥りはじめています。現在の対ドルでの日本円の実質実効レートはすでに固定レート時代の360円に達しているといいますから、日本人が貧乏になるのは当たり前の状況。海外旅行などもってのほかの事態に見舞われていることがわかります。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年10月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

止まらぬ円安

金融市場に興味をお持ちの方はすでにご存じのとおり、円安が過度に進み過ぎて、財務省が大金を投じて介入しない限りその勢いが止まらない状況に陥りはじめています。

これ、国内の報道を見ていますと世界情勢の中で円が一方的に売られているかのような錯覚に陥ります。しかし、こうした状況を作り出しているのは、紛れもなくこの国が行っている金融政策に起因するもの。

なんでこんなに円安が進むのかと言えば、答えは簡単で、インフレが進んでも頑なとして緩和をやめない日銀さまがその原因のすべてを抱えている状況だからです。

直近の月次CPIは日本のそれが米国の数値を上回っていますが、植田日銀は黒田体制の政策をそのまま受け継ぐことを大きな責務としていることから、世界で唯一マイナス金利を維持するというエルドアンのトルコもびっくりの状況を継続中です。

すでに米国は政策金利を5.25%以上に引き上げ、さらに年内にもう0.25%上げるかどうかを模索中ですから、日米の金利差は最大化しており、ドル円が円安に向かうのは必然の状況となっています。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

すでに貿易立国ではなくなったこの国は輸入物価インフレに突入

高度成長期に小学生や中学生であった皆さま方は、日本は貿易立国であると今も認識されているかもしれません。しかし、過去の円高を経て多くの輸出産業は海外での生産に踏み切っていますから、実際は月次ベースでは延々と貿易赤字が続いている状況です。

帳簿上本邦のグローバル企業は円安の恩恵を決算に利用することはできているものの、円安はほとんどの輸入品価格を押し上げることになるため、給料が増えない本邦国民の皆さま方はよほどの金持ち上級国民でないかぎり、輸入物価インフレに直面しているというのが現実です。

ガソリン価格を見ていただければわかりますが、すでに1リッター200円は目前で、円安のネガティブな効果が輸入物価の上昇に寄与していることが明確に理解できる状況です。

もちろん原油価格の上昇が大きく影響していることは間違いありませんが、それに輪をかけるように日銀が金融政策を変更しないことから大幅な円安を示現することとなり、現在のように国民生活に大きなしわ寄せをもたらしています。

この状況が完全に岸田政権と日銀のせいであるのは一目瞭然でしょう。

Next: 利上げするとさらに悲惨に?円の価値はすでに1ドル360円時代に戻った

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