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まだ間に合う大阪万博中止。28年前の東京世界都市博「開催1年前に中止」の大英断を見習え=今市太郎

大阪万博を巡っては、パビリオンの建設遅れから始まって、参加国の激減、予算倍増など問題が次々と噴出。「中止」との声も出ているなか、いまさら止められず最悪の博覧会の「強行実施」が危惧される状況です。しかし、この国では28年前に、経済状況の劇的変化に直面して、東京での世界都市博覧会を中止した経験があります。今こそこの大英断を、大阪万博にも採用する必要があるのではないでしょうか。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年11月4日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

まだ間に合う?大阪万博「中止」

大阪万博を巡っては、パビリオンの建設遅れの問題から始まって参加国が激減しており、万博じゃなくて三博か……といった揶揄の声も飛び交いはじめる始末。

最悪の博覧会の「強行実施」が危惧される状況です。

まあ、事の推移を見ておりますと、すでに始めてしまったのだから、いまさらブレーキをかけて中止することなどできない……という判断が市場を跋扈(ばっこ)しているように見られます。

しかし、この国では28年前に、経済状況の劇的変化に直面して、東京での「世界都市博覧会」中止を、東京都民自身がイニシアチブをもって実行したという、この国にしては実に珍しいベストプラクティスがあったことがすっかり忘れ去られています。

今こそ、この知見あふれる大英断を、大阪万博にも採用する必要があるのではないでしょうか。

バブル崩壊後の東京で予定されていた世界都市博

東京の臨海副都心に1996年、「世界都市博(通称:東京フロンティア)」なる博覧会が開催されようとしていたことは、28年も経過した今、都民でもすっかり忘れ去られているでしょう。

バブル期、東京テレポートタウンを中心とした、いわゆるウォーターフロントの埋め立て地域を利用した博覧会が開催される予定となっていました。

この博覧会は国際博覧会ではなかったものの、世界中の大都市が抱える問題を解決するとともに、21世紀の大都市がいかにあるべきかを進行中の都市開発で提示するという、いま思えば大阪万博よりもはるかに意義のある、極めて前衛的な企画であったことが理解できます。

当初は国連をはじめ世界46都市・国内122自治体が参加する計画が進められることとなりましたが、90年のバブル崩壊から状況は一転。

進出内定企業が次々に契約辞退となり、会場内の工事を受注していた企業はバブル崩壊に起因する広範な倒産に巻き込まれ、発注企業からまともに受注代金を受け取れない……というすさまじい問題に直面することになります。

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