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震災発生と“アンバサダー”松本人志の活動休止で詰み目前の大阪万博。それでも政府&経団連は「万博も復興も両方やる」と最後の悪あがきか?

林芳正官房長官が9日に行われた記者会見で、来年開催される大阪・関西万博に関して「予定どおり開催」と強調したことが、大いに波紋を呼んでいるようだ。

報道によれば、今月1日に発生した能登半島地震による延期の可能性を記者に問われた林官房長官は「万博は世界に向けて日本の魅力を発信する絶好の機会で日本の成長や活性化につなげていく意義があり、この点は変わっていない」とコメント。予定どおり開催できるよう、引き続き準備を進めていく考えを示したという。

いっぽうで、経団連の十倉雅和会長も9日に行われた会見において、震災復興と大阪・関西万博の開催は「両方ともやるべきだ」と、万博は予定通り開催すべしとの考えを示したという。

経団連会長の「二項対立」発言に異論続出

パビリオン建設の大幅な遅れが取沙汰され、なかには撤退の意向を示す国も複数出ているという危機的な状況にくわえ、さらには会場建設費が当初想定よりも約1.9倍上振れしていることも判明したことで、昨年来から開催中止を求める声が日に日に増している感もあった大阪万博。

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とはいえ開催前年である2024年を迎え、実際に会期が近づいてくれば、開催ムードも徐々に高まってくるだろう……といった皮算用をする者も万博関係者のなかにはいたのかもしれないが、蓋を開けてみれば正月早々に能登半島地震が発生。

地震発生から1週間経ち、いまだに同エリアの被害の全貌が明らかになっていないものの、復興への道のりは長いものとなりそうなのは明らかといった状況だ。

ただでさえ以前から、万博会場建設の人手不足が深刻だとされていたなか、そこに震災復興という新たな大事業が浮上すれば、これら2つの同時進行など土台無理ではないかというのは、誰もが思うところ。

実際、経済同友会の新浪剛史代表幹事も先日5日に「(震災の被害は)大変厳しい状況にある。人命第一という考えを世界は理解してくれるはずだ」と発言するなど、経済界からも“万博延期”の可能性を示唆する声があがっていた。

しかしながら、大阪万博の開催をあくまでも完遂したいとする政府や経団連は、あくまでも「両方ともやる」と言い、また経団連の十倉会長はさらに「どうして二項対立のように考えるのか」 とも発言していたとのこと。

これに関してはSNS上でも「むしろ『どうして両者が競合しないと思えるのか?』と問い質したくなります」「資材価格高騰という理由で追加追加の税金や万博に使える重機や材料があれば復興に回せばいいのでは?と考えるのは普通だと思うけど…」などと、異論が噴出している状況のようなのだ。

宝塚&松本人志が相次ぎ降板の“呪われた”万博アンバサダー

いっぽうで大阪万博への“大逆風”ということでいえば、ここに来て大いに取沙汰されているのが、ダウンタウン・松本人志の芸能活動休止だ。

昨年末からの週刊文春による“性加害”報道を受け、その内容を全面否定するとともに、真偽を明らかにする裁判に注力するため……という理由で活動休止を発表した松本人志。レギュラー出演する番組など数多くあるだけに、関係各所は対応に追われているということだが、そんな彼が務めていたのが大阪万博のアンバサダー

関連イベントに出席するなどして、万博の機運を盛り上げるのがアンバサダーの役割なのだが、さすがに“性加害”疑惑が取沙汰されるなかで務められるわけがなく、大阪府の吉村洋文知事も9日に、活動は「休止になると思います」とコメント

しかも、今後仮に裁判沙汰になるなど係争が長引く展開となれば、芸能活動休止は年単位に及ぶとの見方もあり、2025年4月の万博開幕に間に合うかどうかも怪しいといった状況のようなのだ。

大阪万博のアンバサダーといえば、宝塚歌劇団のメンバーらも同様に任命されていたものの、昨年起こった団員急死問題の影響で、ダウンタウンより一足早く“活動休止”に。国内外に大阪万博をアピールする役回りだったはずが、いずれもいわゆる“人権問題”によって事実上の降板となったということで、万博のさらなるイメージ悪化に繋がることは必至といった状況のようだ。

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