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失政が生んだ氷河期世代を国会議員らが“嘲笑”で物議。世間から理解されず見捨てられ50代に突入の同世代から真剣にあがる“安楽死”合法化を望む声

国会において、就職氷河期における苦い就活体験を語った国民民主党の伊藤孝恵議員に対し、議場にいた他の議員から嘲笑するような反応があったことが分かり、大いに物議を醸しているようだ。

同議員のSNSへの投稿などによれば、3月28日の参院本会議で自身の体験談として「100社もの入社試験に落ちた」と語ったところ、議長席と思しき方向から吹き出す声が聞こえたり、他の議員から「おれ全部うかった」などといった笑い声や話し声があがったとのこと。これらの投稿には、大量のいいねやリポスト(再投稿)がなされ、嘲笑したとされる議員たちへの批判の声が強まる状況となっているようだ。

嘲笑した議員の名前を晒すべしとの声も

バブル崩壊の影響で当時の企業が採用数を極端に縮小させたことで、新卒の就職が異常に困難になるという状況に陥った氷河期世代。その世代に当てはまるとされる層の人数は、約1700万人に及ぶというのだが、多くが正規雇用で働く事が叶わず、いまもなお非正規雇用で働いている割合が多い。

収入が少なくなおかつ雇用も不安定なこの世代の多くは、結婚や出産、マイホームの購入などを諦めざるを得ず、このことがかねてから問題視されていた少子化の問題を、さらに深刻化させることにも繋がったともされる。

また、それまでいっぱしの大人なら誰でも叶えられるとされた、結婚などの“当たり前”を叶えることができなかった氷河期世代の事情に対し、それよりも上の世代を中心とした他世代はいたって無理解であることも、かねてから指摘されているところ。

今回取沙汰されている他議員からの“嘲笑”も、そういったことが端的に現れた現象だといえそうなのだが、とはいえ経済政策の“失政”が生み出した側面もある就職氷河期に対し、嘲笑を浴びせるのはあまりにひどい話だと、SNS上では怒りの声が充満しており、なかには嘲笑した議員の名前を晒すべし、といった声まであがっているようだ。

いっぽうで、伊藤議員曰く「100社落ちた」といったような熾烈な競争がいわば当たり前だった当時の就活戦線。

それを首尾よく乗り切り、大手企業勤めが叶った数少ない“勝ち組”と呼ばれるような人々は、いまや脂の乗り切った40代半ば~50代あたりといったところだが、ここ最近は資生堂やオムロン、セブン&アイHDといった各企業で、そういった年代を狙い撃ちにした早期退職募集が、急増しているといった状況

このところの新卒採用は空前の売り手市場とされ、どの企業も有能な人材の確保のために、初任給をバンバンと引き上げている状況なのだが、氷河期世代の社員らはそんな賃上げの恩恵をほとんど受けていないという話もあるなか、そのうえそんな初任給高騰の煽りを受けるような格好で整理される対象になっているということで、つくづく氷河期世代はどこまでも報われないという嘆きも、ここに来て広がっているところだ。

国の氷河期救済策も「20年遅かった」との反応

そんな氷河期世代に対しては、政府も20~22年度の3年間で正社員数を30万人増やすといった目標を掲げ、救済を試みる姿勢を見せたものの、ちょうどそのタイミングにコロナ禍が重なる不運もあり、最終的に実質的な増加は3万人に留まるという結果に。そこで期限を2年延長することになったものの、依然として目標とは大きな隔たりがあるといった状況のよう。

そもそも先述の通り、氷河期世代はすでに40代後半から50代に差し掛かりつつあるということで、その手の就職救済策に対しても「すでに手遅れ」「20年遅かった」などといった反応もかなり多いといったところのようだ。

このように、もはや救済も何もすべてが遅きに失した感がアリアリな氷河期世代なのだが、ここに来てこの世代から静かに湧き上がっているのが、安楽死の合法化を待望する声。

現状でさえ、食べていくのがギリギリの低収入なゆえに、老後に向けての貯えも当然作れず。また年金も少額で、そのうえ未婚なゆえに頼れる子どももいないと、やがて来る老後に対して不安要素しかない氷河期世代。

この世代が老境に差し掛かったころには、大量の生活保護者が発生し、国家財政を圧迫しかねない状況となるといった予測もあるなかで、そこまでして生き永らえたくないとする向きの間では、そういった安楽死による最期を望む声が広がっているというのだ。

安楽死を巡る海外の状況としては、2001年にオランダが国レベルでは世界で初めて合法化に踏み切ったのを皮切りに、欧州を中心として認める国が増えて来ているといい、2021年には自殺をタブー視するカトリック信者が多いとされるスペインでも、合法化されたとのこと。

しかしながら日本においては、安楽死を巡る議論は続いているものの、合法化に向けての具体的な動きは皆無といったところ。国から世間から半ば見捨てられ、一部からは“棄民”扱いさえされている氷河期世代からの、いわば“最後の願い”も、このままだと叶いそうもないといった状況のようだ。

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