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U-NEXT、業績予想の上方修正で指摘される「ネトフリ」「アマプラ」にはない強み。「RIZIN」も含めた男の欲望に忠実なラインナップで海外勢を猛追か

定額制動画配信サービス「U-NEXT」の運営で知られる株式会社U-NEXT HOLDINGSが決算を発表し、24年8月期第2四半期累計(23年9月-24年2月)の連結経常利益が、前年同期比69.3%増の153億円に拡大したことが分かった。

これに伴い同社は、2024年8月期通期の業績予想を上方修正。売上高は前回予想比5.3%増の3,160億円、純利益は同21.5%増の147億円になる見通しだという。

同社によれば、好調な業績は「U-NEXT」の課金ユーザー数が想定を上回っていることなどが要因だということである。

「Paravi」の統合で会員数がさらに増加

近年では動画や音楽の配信などに留まらず、様々な業種がサービスとして展開しているサブスク。

だが、身の回りにそういった類があまりにも増えすぎたために、サービスをほとんど使い切れなかったり、思った以上に出費がかさんだりするといったような、いわゆる「サブスク疲れ」といった状況が、ここに来て大いに取沙汰されることに。それゆえに、今やどのサブスクに加入するかどうかに関しては、誰もが以前に増してシビアな目線で選別しているといった状況である。

そんななかにあって、好調な業績ぶりを保っているというU-NEXTなのだが、これは2007年に当時のUSENが運営していた動画配信サービス「GyaO」の一サービスとして誕生した「GyaO NEXT」がルーツで、2009年に現在のU-NEXTに名称変更したもの。

日本国内にて展開している動画配信サービスといえば、近年では『サンクチュアリ -聖域-』が話題となるなどオリジナル作品の充実ぶりが光る「Netflix」にくわえ、他サービスと比較して手ごろな価格設定が魅力的な「Amazonプライム・ビデオ」がの2つが強いとされているところ。

それらに対してU-NEXTはいわゆる国内発の動画配信サービスとして、前述の外来2サービスに追随しているといった状況なのだが、もともと月額料金に関してはAmazonプライム・ビデオはもとより、Netflixのプレミアムよりも割高な価格設定。しかしながら、見放題作品数は他サービスと比べて圧倒的に多く、さらに動画だけではなく漫画や雑誌も読める点が大きなウリとして、会員数を増やしてきた。

充実の動画コンテンツということでいえば、2023年にはTBSなどが出資していた動画配信サービス「Paravi」を統合したことで、TBSで放映されたドラマやバラエティなどの視聴可能に。これにより、単純にParaviが抱えていたユーザー以上の会員数増加にも成功したということなのだ。

男性ユーザーを魅了する「その他♡」の存在

いっぽうで、NetflixやAmazonプライム・ビデオといった海外発の定額制動画配信サービスに対して、U-NEXTがある意味で抜きんでている点として、SNS上で指摘されることが多いのが「その他♡」の存在だ。

U-NEXT内における動画ジャンル分類のひとつである「その他♡」なのだが、お察しの通りここでは年齢確認をクリアすれば、アダルトビデオなどの成人向け作品が視聴可能。なんでも2024年1月時点で、その手の見放題作品が8万作以上も存在するという。

対するNetflixやAmazonプライム・ビデオはというと、18禁の成人映画は存在するものの、アダルトビデオなどのド直球なエロコンテンツはいずれも無いということで、その点でU-NEXTは特に男性ユーザーの間で選ばれているというのだ。

さらにU-NEXTといえば、人気の総合格闘技団体「RIZIN」のライブ配信をはじめとした、格闘技系のコンテンツも、ここに来てかなり充実しているとの評価も。先述のアダルト作品も含め、ある意味で男の欲望や欲求に忠実なラインナップの拡充が、好調な業績に繋がっているとも言えそうである。

Next: 「もはや格オタ必須サブスクとなりつつあるU-NEXT」

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