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EU解体「第2幕」の始まり~ジョージ・ソロス&ストラトフォー最新分析=高島康司

ジョージ・ソロスの最新論文~これから欧州で何が起こるのか?

このように、イギリスのEU離脱決定の影響は予想を越えて大きかった。では、これからEUは解体に向かうのだろうか?EU解体の影響は大きいだけに不安になってくる。

そのようなとき、世界三大投資家の1人であるジョージ・ソロス氏が、これからの展望をまとめた論文を著名なシンクタンク『プロジェクト・シンジケート』に発表した。以下が内容の簡単な要約である。

今回のイギリスのEU離脱派の勝利は、大挙して流入する移民の恐怖を煽ったプロパガンダによるものだ。だが、そのような恐怖に根拠がないかと言えばそうではない。

移民の受け入れに慎重な世論が主流であったにもかかわらず、人道的な見地という理由で移民の際限の無い受け入れを実施してしまったのだ。この処置が移民への恐怖をかき立てたことは間違いない。

しかし、EUを離脱するという結果は予想を越えた反応を引き起こした。ポンドは30年来の安値を記録し、株価もイギリスのみならず世界各地の市場で暴落した。今回に匹敵する変動は2007年から2008年の金融危機であろう。

EU離脱によってイギリス経済は将来的に好転するかもしれないし、また低迷するかもしれない。それは分からない。だがはっきりしていることは、当面の間イギリス経済は厳しい状況におかれることになるということだ。

さらに、EUからの分離運動はヨーロッパ各地の国々で高まりつつある。イタリアではやはりEUからの離脱を主張する極右勢力、「五星運動」の人物がローマ市長になった。これと同じような運動はどのEU諸国でも盛んになっている。

こうした状況を見ると、EUの無秩序な解体過程が始まったことは明らかだ。このまま行くと、全面的な金融危機を伴いながらEUは解体するだろう。これは、EUが存在していなかった時期よりもさらに悪い状況となるはずだ。

このプロセスを阻止するためには、我々のような民主主義者が団結し、EUを支えなければならないのだ。

以上である。

ソロスは、「大きな金融危機を伴うEUの無秩序な解体プロセスが始まる」と予想し、この動きを止めるためには、EU派の市民の団結が必要だとしている。

Next: やはりEUは解体? CIA系シンクタンク『ストラトフォー』の見方

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