「こども保険」は保険ではなく税金
さて、「こども保険」は保険なのでしょうか。答えはノーです。
保険って、そもそも何でしょうか。保険とは、たくさんの人が少しずつお金を出し合って、大きな共有の準備財産を作り、参加者に万一のことがあった場合に、本人や残された家族にまとまったお金を出して、経済的に助け合うという仕組みです。つまり、お金を出しておけば、病気、死亡、長生きなどといったリスクに備えることができるものを「保険」と言います。
政府案の「こども保険」が保険だとすると、保険料を支払っておくと将来の幼児教育が無償となるということになりますが、出産がリスクというのも変ですし、誰でも給付が受けられるわけではありませんので、保険とは言えません。
本質は、保険というよりも税金です。また、厚生年金保険料は上限が決まっていますので、富裕層は相対的に保険料の負担が軽くなるというデメリットもあります。所得税であれば課税される所得の上限はありませんが、「こども保険」は富裕層に有利な税金と言えます。
『お金を殖やす、貯める、今日からはじめる節約テク』(2017年4月2日・7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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