近づく「宴の終わり」
アベノミクスによって、徹底した優遇税制の恩恵に浴してきた大企業は、それ以外でも、安倍政権の政策の柱である非正規雇用化の促進によって人件費を極限まで削減することによって内部留保を増やしてきました。
こうした優良貸出顧客であった大企業を失って、いよいよ有り余る資金の行き場がなくなってきた東京の大手銀行は、不動産担保物件に投資を始めました。
同時期に、中国人の富裕層による都内のマンションの爆買いも手伝って、東京23区内、そして湾岸エリアの高層マンションの値はぐんぐん吊り上がりました。
なんと、六本木ミッドタウン近くの新築マンションには一戸15億円の値がついています。
まさに資産バブルが始まっているのですが、東京の大手銀行は、国債の金利のマイナス幅が拡大すると予想しているので、不動産への貸し付けを止めることができなくなっているのです。
アベノミクスはとっくに終了しているのですが、日本政府がそれを認めることはバブル崩壊の引き金を引くことになるので、すでに神話化し始めたアベノミクス幻想に、ひたすら、しがみつくしかなくなっているのです。
それでも、投資先が残っている東京の大手行は恵まれています。日本の経済崩壊までは、なんとか宴を楽しむことができそうだからです。
対して、地方銀行は国債を買わされてはいるものの、貸出先がないので、売るに売れず元本の目減りを待つばかりです。
そこに、マイナス金利の拡大が実施されれば、地銀はバタバタと潰れていくでしょう。残されているのは合併・統合による生き残りです。
つまり、クリプトカレンシー(暗号通貨)の市場導入と相まって、銀行員の大リストラ時代が始まるということです。それは、ゆうちょ銀の「貯金(郵便貯金)」も同じです。
(※第145号パート2「マイナス実質金利から資産バブルに向かう日本」、第147号パート2「2016年から始まる悪夢/見えてきた日本の資産バブルと戦争経済」にて詳述)
※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年7月21日第166号の一部抜粋です。全文に興味を持たれた方はぜひこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2016年7月21日第166号)より一部抜粋、再構成
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