不当に株価が安く放置されている会社を探す
さらに、「無成長産業の会社」にはどんなものが想像できるでしょうか。筆者は鉄鋼、紙・パルプ、海運、百貨店、銀行、家電量販店、着物などを想像しました。
ピーター・リンチの言わんとする
- 悪い噂の出ている会社
- 気の滅入る会社
- 無成長産業の会社
というのは、「投資家から見放されていて不当に株価が安く放置されている会社」という意味だと思われます。
前回にお伝えしたクライスラーのような会社です。このような会社に投資すると、時を経て株価の修正が起きるということだと思いますが、注ぎ込める資金量が少ない我ら個人投資家が100株や1,000株程度を買っても、株価はビクともしません。それよりは、株価が上がり始めてから流れに追随する方が賢明です。
このように連想できるキーワードを入れて検索をかけて、時価総額が2,000億円以下で、財務基盤や先々の見通しがしっかりしているものの、まだ株価が反応していない銘柄をウォッチし続けて、株価が上がり始めたらその流れに飛び乗るのが良いと思います。
自己資本比率とキャッシュフローを重視する
最後に「強固な財務基盤」ですが、個人的には「自己資本比率」と「キャッシュフロー」を重視しています。
自己資本比率は(自己資本)÷(総資産)で計算される企業の安定性をはかるための指標です。会社の総資産のうち、返済する必要のない資金の比率です。これが40%以上なら倒産する可能性は低いと言われていますが、優良企業の代名詞ともいわれているトヨタ自動車<7203>でも自己資本比率は35%程度なので、30%以上あれば良いのでは?と個人的には考えています。この自己資本比率も四季報オンラインで簡単に確認できますし、ほとんどのネット証券のサイトで四季報の情報を見ることができるので、そこからも確認ができます。
「キャッシュフロー」ですが、こちらは四季報オンラインの有料会員にならないと見ることができません。ですが、やはりほとんどのネット証券のサイト上で四季報の情報を見ることができるので、そちらから確認ができます。
このキャッシュフローのうち、「営業キャッシュフロー」がマイナスの企業は、債権回収に問題がある可能性が大です。製品を先方に納めて、会計上は売上が立っているのですが、先方からの入金がまだなされていない取引が多いということです。こういう銘柄は注意していかなければなりません。投資対象からは外しておいた方が賢明です。
このように、みなさんも色々と研究してみてください。検索画面のサンプルをブログにあげておきます。この続きはまた次回お話します。
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『資産1億円への道』(2017年4月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。