年金受給額の不足分を計算する
総務省「家計調査報告(家計収支編)平成27年平均速報結果の概要データ」を使って、65歳までにいくら貯める必要があるのかを試算してみましょう。
高齢無職世帯(夫婦)の1か月の収支は、おおよそ62,000円の赤字です。90歳まで生きると仮定すると、65歳までに貯めなければならない金額は約1,934万円となります。
さらに、介護や病気に備える費用や趣味やレジャーなどの費用を300万円~500万円程度見積もると、2,234万円~2,434万円程度は貯めておきたいものです。
皆さんも、以下を参考に、ご自身が65歳までに貯めておく必要がある金額を試算してみましょう。
<65歳までに貯めておきたいお金(65歳~90歳までの必要額)>
(計算例)
(1)公的年金の不足額
実収入約213,000円-支出額約275,000円=-62,000円(月額)
(2)65歳~90歳までの不足分
62,000円×12か月×26年=1,934万円
(3)介護や病気などに備えるお金
300万円~500万円
以上より、必要額:(2)+(3)=2,234万円~2,434万円
不足分に備える「3つの方法」
キャッシュフローを改善するには、「収入を増やす」「支出を減らす」「資産運用」が基本です。それぞれについて検討してみましょう。
<1.収入を増やす>
配偶者が専業主婦(夫)であれば、働いてもらうことを検討しましょう。若い世代であれば、厚生年金に加入することによって、配偶者の受給額を大きく増やすことが可能です。
配偶者がずっと専業主婦(夫)であった場合、年金を受け取る時期を遅くすれば年金を増やすことができます。年金額は繰り下げた月数(最大60か月)×0.7%の割合で増額されます。つまり、受給額は最大で1.4倍になります。
また、65歳以降も働き続けるなどが考えられます。この場合、「月給+年金」が47万円を超えると年金がカットされますので、留意しましょう。
<2.支出を減らす>
保険料などの固定費の見直し、住宅ローンの借換えなどが考えられます。
<3.資産運用>
若い世代であれば、NISA、確定拠出年金、個人年金保険などを検討してみてはいかがでしょうか。
『お金を殖やす、貯める、今日からはじめる節約テク』(2017/5/12, 5/15, 5/17, 5/19号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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