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米ドルの死と2つの仮想通貨~なぜ世界経済はリセットされようとしているのか?

BRICS同盟国は米ドルに「死刑」を宣告した

前号で、トランプが早々と“青菜に塩”の状態になってしまったのは、米国の「リアル・ディープ・ステート」にコントロールされ始めている兆候と書きました。

もうひとつの理由は、ロシアと中国との間の相互貿易の準備が思ったより早く進んでることからも分かるように、BRICS同盟国間において、相互貿易と経済協力を本格的に進めるため、いよいよ米ドルの放棄を開始するという最終的なBRICS指導部の決定がなされたためです。

BRICS同盟国は、米国政府に対して、今後、裏付けのある強い通貨でのみ支払うよう率直な要求を出したのです。

彼らが言っている意味は、つまり、「われわれは、もう米ドルを信用しない」ということです。

このことは、不換紙幣という実体のない通貨(米ドル)で世界を牛耳ってきた“ハザール銀行王朝”にとっては、まさに手痛い一撃で、ドナルド・トランプの最も野心的な「アメリカ・ファースト」の出鼻をくじくこととなったのです。

しかし、BRICS同盟国は、この10年ほど、不換紙幣との決別を仄めかし続けてきたのですから、むしろ、これを放置してきた“ハザール銀行王朝”こそが、米国を崩壊させようとしているのかもしれません。

その兆候は、2008年の世界金融危機のとき、“ハザール銀行王朝”のコントロール下に置かれている大手銀行のCEOの大量辞任、そして、ローマ法王のベネディクト16世の突然の辞任(幼児に対する性的虐待と同性愛の罪によるものと言われているが)に見ることができるのです。

ロシアと中国との同盟関係は、軍事関係だけでなく、金融、貿易、農業分野にまで及ぼうとしています。特にロシアは、西側世界との交易なしに、自国経済を運営できる体制をととのえようとしているのです。

2014年、すでにロシアと中国は、二国間協力の下で、4000億ドルのエネルギー・プロジェクトを発足させています。

ハザール金融マフィアにコントロールされている西側諸国による対ロシア経済制裁が功を奏さないことを知っているにも関わらず、西側は中ロの資源外交に介入しようともせず、ひたすらロシアに対する経済制裁を強化するばかりでした。

誰が、どんな角度から考えても、西側の国際銀行家の魂胆は、米ドルを崩壊させることにあることが分かるでしょう。

これに対して、インドは、独特の興味深い対応を示しました。

ナレンドラ・モディとロスチャイルドの国際決済銀行(BIS)による「通貨クーデター」

インド政府は、2016年11月8日、突如、500ルピー札と1000ルピー札の高額紙幣を市場から回収すると発表し、4時間後には、これらの紙幣を無価値にすると宣言しました。つまり、以後、法貨として通用しなくなる、ということです。その額は、インドの全通貨発行額の85%にも上ります。

インドは現金ベースの社会であり、行われているすべての商取引のうち、85%以上が現金での取引です。

また、インド国民は、世界でもっとも多くの金を備蓄しています。その保有量は、インド国民の分だけでも、2万トン以上と見積もられています。

しかし、国民から富を盗む取ることに長けているインド政府にとっては、国民の資産さえ政府の富の一部であると考えられているのです。これは、インド国民の富を収奪する金融クーデター以外の何ものでもありません。

去年の11月29日、英国王立造幣局(ロイヤルミント)がCMEグループとの提携によって、ブロックチェーンを利用したゴールド・トレード商品「ロイヤルミント・ゴールド(RMG)」を開発すると発表しました。

「2017年中の市場流通を目指して、10億ポンド(約1450億)相当のデジタル・ゴールドが売り出される」とのこと。

そして、今年の2017年4月11日、ロイターは、英国王立造幣局(ロイヤルミント)が、米国拠点のCMEグループとの協力によって、「ブロックチェーン・ベースの金(ゴールド)取引プラットフォームを開発している」と発表しました。

また、CMEグループは、「テクノロジー企業のアルファ・ポイント(Alpha Point)とビットゴー(BitGo)によって構築された新しいプラットフォームは、主要な金融機関のグループによって、すでに実証実験の段階に入っており、今年中に運用される予定である」と発表しました。

この英国王立造幣局(ロイヤルミント)から発行される新しいデジタル・トークン『ロイヤル・ミント・ゴールド』、あるいは『RMG(Royal Mint Gold』、あるいは『RMG』は、金融機関によっても売買されることが決まっているということです。

この発表は、キャッシュレス社会推進派にとっては、大きな福音でしょう。明らかに、ブロックチェーン技術によってデジタル化された金(ゴールド)を市場に広く流通させようという狙いがあります。

今まで投資に適さないとされてきた金(ゴールド)を、ネット上で瞬時に、しかも、1グラムの金(ゴールド)の1000分の1のごく微量の金(ゴールド)でさえ、デリバティブ取引の対象とすることができるという点では、確かに画期的な発明です。

しかし、そのタイミングで、大胆な高額紙幣の廃止を決めたインド政府には、表向きは「腐敗の根絶のため」と言いながら、実は大胆な金(ゴールド)の略奪計画があったのです。
(※メルマガ第199号パート2、パート3「印刷通貨の限界と金に裏付けられた仮想通貨の発行」にて詳述)

ナレンドラ・モディ首相のこの措置は、“ハザール銀行王朝”によって誕生した西側諸国の中央銀行が、インドの人々にブロックチェーンの「安全と安心」を謳いながら、それを使わせようとプロモートすることによって、インド国民にとって親しみのある地元の銀行に自分たちが所有している金(ゴールド)を預けさせることが真の狙いなのです。

「500ルピー札と1000ルピー札が使えなくなる」と焦ったインド国民は、すぐに銀行に駆け付けて預金を下ろした後、その足で貴金属店に殺到したのです。

伝統的に、通貨危機の時には金(ゴールド)のインゴットや宝飾品に替えて資産防衛策を講じてきたインド国民なら、そうすることは誰でも分かっていたことですから、ましてや、国民から合法的に資産を没収しようと企んでいるインド政府が、その習慣を利用しないという手はないでしょう。

想像していたとおり、あっと言う間にインドの貴金属店から金(ゴールド)が消えていったのです。

インドでは、2017年の今年も金(ゴールド)の不足が予想されており、今年のインドの年間購入量は850トンから950トンの間と推定されています。中でも、インド最大の大手貴金属取扱業者の金(ゴールド)輸入量は、82%も増えています。

インド国民は、これからも、金(ゴールド)が入荷されるたびに、現金を金(ゴールド)に替えていくでしょう。

その後で、インド政府は、ブロックチェーン技術を使って開発された仮想通貨なら、通貨危機が起こっても価値は温存されるので「安全だ」と、何気なくアナウンスするはずです。

Next: 西側中央銀行カルテルによる新通貨「ゴールド・デジタル・トークン」

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