「賃貸物件での孤独死」はどれくらいの損害になる?
あくまで保険に入っている人のデータですが、孤独死による損害額とその保証としての保険金の額も出ています。
原状回復にかかった費用の平均は約34万円に対し、保険支払の平均額は約26万円ということで、平均だけ見ると大家さんが8万円ほど自己負担しているという状況です。
また、保険によって支払われる家賃保証の金額は平均約32万円ですので、6万円の家賃の物件で約5ヶ月分に相当します。
ケースバイケースですが自殺などで孤独死が起きた場合、その後の2年間は家賃が50%下落する(12ヶ月分の家賃に相当)と考えます。
つまり、半年分の家賃に相当する額を大家さんが負担しなくてはならないということになります。
入居者も保証人も助かる「保険」
先述の通り損害額と保証額を比べると、どうしても大家さんの持ち出しが発生する場合があることは確かですが、保険を活用することで、それでもずいぶんと金銭的なダメージは小さくなります。
一般的な保険料は、一戸あたり月々300円とお手頃だと思います。とはいえ、賃貸不動産を100戸も1000戸も保有する大家さんだと、保険代も莫大なモノになると思います。
可能であれば、入居者の保険として加入を義務づけることができれば良いと思います。現状でも、入居者は火災保険など保証会社に保険料や保証料を支払っています。この料金内に追加できれば最も簡単でしょう。
それが無理なら、共益費を300円ほどアップし、保険料に充当するというのも手でしょう。
入居者やその保証人に損害賠償請求を行うはずだった金額が、月々300円の保険でまかなわれるわけですから、入居者やその保証人にとっても良い(マシ)な制度だと思います。
こういった保険を活用することで、孤独死の3割を占める60代の方の入居申込を嫌がらずに受け入れる大家さんも増えると思います。また、自殺してしまった入居者の親族に、心苦しくも損害賠償請求をしなくてすむようになります。
社会的に見ても望ましい保険が、もっともっと普及していくといいなと思っています。
『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』(2017年6月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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