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株式会社は誰のもの?「モノ言う株主」が知るべきたった1つのルール=山本潤

給食と野菜の高騰

今年は天候不順で野菜が凶作でしたが、仮に、ある会社が給食を学校向けに提供するビジネスを営んでいるとします。あなたは、その会社のたった一人の株主とします。

給食費は年度の初めに決まっています。その会社は事業として野菜を学校に一定量を収めなければならないのです。ですが、野菜が高騰して、量が確保できません。その会社は損失覚悟で量を確保して、自己資本を減らしたとしましょう。

学校給食は極めて公共的なものです。「量が確保できないので、給食はなしです」とすることはできません。その結果、その会社の株主は損失を被るわけです。

野菜が高騰して、経営者が給食への供給責任を果たした。その損は、形を変えて、会社への社会的な信用をつくります。「損をして得をとる」ですね。

損を分け合う-対策

会社が、野菜の高騰のおかげで、損を受け持とうとしたが、損が大きすぎる場合、なんとかしてほしいと顧客に相談することもあるでしょう。

顧客たる学校側は、あなたの困り具合を見て、状況を勘案して、「それでは、食材の一部を置き換えてみましょう」とか、あるいは「給食の日数を月に1回減らしましょう」と言ってくれるかもしれませんね。

その場合、会社が負うべき損失を、社会が分かち合ったということになります。事業の損を社会と負担した、ということです。

会社が株主のものであるならば、リーマンショックでゴールドマンサックスなどのグローバル証券会社はつぶれていたはずですね。ところが、社会的な影響の大きさから公的資金が注入されて株主は損を被ることがなかった。原発事故と東電とのケースも考えてみればよいでしょう。普通なら、債務超過で即倒産です。

そうしなかったのは、法律的な判断ではなく、政治的な判断です。政治的な判断というのは、社会的なものです。民意というやつですね。社会が企業を救ったわけですね。株主は、そのことを忘れてはいけませんね。

逆に、儲かったときは、その儲けは株主だけのものではないことが、今の例から、容易にわかるでしょう。

持ちつ持たれつ。株主と会社との関係もそうですし、顧客と会社との関係もそう。あるいは、会社と会社との関係もそう。

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