VALUに隠されたもう1つのリスク
元々、私はこのVALUというサービスを知った時に、「株式と似ているかもしれないけど、本質的には全然、異なるものだ」と捉えていました。
法律面ではなく、まったく別の角度でもVALUには独特のリスクがあります。それは「個人の命は永久ではない」という点です。
法人の場合は組織で運営されているので、仮に経営者や従業員が予期しない健康上のトラブルや事故に遭遇しても、代わりの人を立てて、事業を継続できます。
しかしながら、個人の場合は代役を立てるということができません。そのため、VALUを株式のように見立てて投資するのは、明確に間違っていると考えます。
「純粋にその人(個人)を応援したい」という思い(=VALUへの投資)と「純粋にその企業(法人)を応援したい」という思い(=株式投資)は、イコールにはなりえないということです。
株式とVALUの共通点と相違点
個人も法人も、複利で成長していくものです。生まれたばかりの赤ん坊は自分では何もできないのに、年を重ねるために成長して、最後は自分で働いてお金を得て、すべての生活を1人で支えられるようになります。この成長速度は時間軸に対して正比例しているのではなく、曲線を描くように複利マジックで高速になっていきます。
法人も同じです。できたばかりの法人は取引先も少なく、ほとんど儲からない状況からスタートします。それが次第に2倍、3倍と倍々ゲームのように増えていきます(もちろん、中にはその過程でダメになる法人もあります)。
まとめると、以下のようになります。
<VALUと株式の共通点>
人も企業も複利マジックで成長していく
<VALUと株式の相違点>
人には寿命があるが、企業には寿命がない
今のところ、個人的にはVALUに対しては後ろ向きです。代役が立てられない個人には常に病気や事故等の予期しないトラブルがついてまわります(いきなり価値がゼロになるリスクがあります)。そして、法律上は「証券」ではなく「商品」なので、財産として保護してくれません。
今、VALUはとてもファジーな存在になっています。法律の整備をして「証券」として扱うのなら話は違ってきますが、個人的には、投資対象としては完全スルーでいきたいと考えています。今回の騒動で明らかになった多くの謎が究明されないまま、なんとなく解決されたような感じなので、不安を感じます。
運営元のVALU社は、今後「利用者保護を最優先にしたルールを作る」と発表しているので、その動向にも注目したいと思います。
最後に、今回のヒカル氏らの売り逃げ騒動とその後の対応に疑問を感じただけで、私はVALUという仕組み自体を否定するものではありません。
『ウォーレン・バフェットに学ぶ!1分でわかる株式投資~雪ダルマ式に資産が増える52の教え~』(2017年8月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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