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YouTuberヒカル氏の「VALU売り逃げ騒動」6つの謎ともう1つのリスク=東条雅彦

売り逃げ騒動を巡る「6つの謎」

この一連の取引やその後の対応について、多くの不可解な謎が残っています。

<不可解な謎その1>
「誰が一番、価値があるのか」という動画の企画で、なぜ全VAを売る必要があったのか?

まず、これが最大の疑問点です。この主旨だったら、VAを売る必要はありません。ヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏の3名の時価総額を競い合えばよかっただけの話です。

Twitterを通して買いを煽った上ですべてのVAをファンに向けて売っている時点で、「誰が一番、価値があるのか?」ではなく、「誰が一番、儲かるのか?」という話になっています。

もしVALUが擬似株式ではなく本当の株式だったら、上場したばかりの会社のオーナー経営者が持ち株をすべて放出するのと同じ行為です。投資家側は、発行者が1VAも保有していないのなら、本人がVAの価値を高める動機が消えたと判断するでしょう。VAの価値が大暴落するのは必然の流れです。

この行為が合法・非合法を問わず、直接的にファンに金銭的な被害を与えている点で、悪質だったと言わざるを得ません。

<不可解な謎その2>
最初からYouTubeの動画の企画で儲けるつもりがないのに、なぜ身内の井川氏は安値で仕込んで高値で売り抜けたのか?

井川氏が安値で仕込んで高値で売り抜けていました。井川氏はYouTubeの動画の企画だったことを知っていたと思われています。儲けるつもりがないのに、なぜ事前に安値で仕込んでいたのでしょうか?

ヒカル氏の「ファンのために売った」という説明が、イマイチよく理解できません。売り抜けたことではなく、最初から安値で仕込んでいたことが問題視されています。安値で仕込んでいたことに対する説明がまったくなされていません。

<不可解な謎その3>
ヒカル氏は法律上、インサイダー取引が適用されないことを最初から知っていて、一連の取引を行ったのか?

8月16日、Twitter上で今回の件で説明を求められたヒカル氏は、以下のように返答しておりました。

出典:ヒカル氏のTwitter(※今は消されている)

出典:ヒカル氏のTwitter(※今は消されている)

この発言の真意は何だったのでしょうか? VAは仮想株式であって、法律上は株式ではありません。そのため、証券取引法が適用されないので、確かに(法律上の)インサイダー取引には該当しません

そのことを知った上で、一連の取引を実行したのでしょうか? もしそうであれば、インサイダー取引には該当しませんが、詐欺行為の疑いがかなり強くなってしまいます(実際に、複数名の弁護士は一連の取引には詐欺の疑いがあると指摘しています)。

<不可解な謎その4>
一連の取引で損した人たちに対して「損する側に回っただけ」という発言の真意は何だったのか?

ヒカル氏は再び、Twitter上で意味がよくわからない発言をしています。

出典:ヒカル氏のTwitter(※今は消されている)

出典:ヒカル氏のTwitter(※今は消されている)

ヒカル氏の身内以外の人たちには、16日に全VAを一斉に手放すという情報を知る術がありません。ヒカル氏は全VAを15日のストップ高で売りに出して、その後、VAの価値を自ら暴落させたのです。

損する側に回っただけだ」と言われても、大半の人(=ほぼ身内以外)は損せざるを得ない状況だったのです。そして、その状況を作ったのはヒカル氏ら側にありました。自分たちだけが得する側に回った後で、上記のような発言をするのは、信義に反するように感じます(これらのツイートはすべて削除されており、今は見られません)。

<不可解な謎その5>
タイムラインに残っていた情報を見て、優待を期待するなというのは少し無理があるのでは?

ヒカル氏は優待について、初期設定の情報がタイムラインに残っていただけで、その証拠に日付が7月20日から8月8日までとなっていると説明しました。

確かにヒカル氏が上場したのは8月10日なので、一見、筋は通っています。しかしながら、このアクティビティに残っていた情報を読んで、勘違いをしてしまった人もいるはずです。

勘違いを引き起こしたことが問題だったわけで、日付が8月8日だったかどうかはそれ程、重要ではないと思います(この残っている履歴を見て、勘違いするなと言う方が無理があるように感じますが…)。

出典:VALU

出典:VALU

ヒカル氏は優待について何も設定するつもりはないと16日にTwitter上で宣言して、ヒカル氏のVAの暴落を招いています。「VALU保有者限定のオフ会orセミナー」と書かれており、テスト投稿にしてはちょっと話が具体的すぎるように思います。

<不可解な謎その6>
なぜ運営元のVALU社はロールバックを行って全員を救済しなかったのか?

運営元のVALU社は15日の段階でヒカル氏らに対して「このアカウントは、規約違反に該当している恐れがあります」という警告を発していました。つまり、法的にはインサイダー取引に該当しなくても、身内の売り逃げや全VAを一気に売る行為が不良行為だ(またはその疑いがある)と判断していたと思われます。

それだったら、なぜロールバックを行って、ヒカル氏らの取引を一旦、なかったことにしなかったのかという疑問が残ります。

VALU社とヒカル氏の間で今回の一連の騒動について、何らかの話し合いが行われたと推測します。その結果、ヒカル氏らが全VAを過去最高値で買い戻すという結論になったと思われます。

17日からヒカル氏の自社株買いが始まっており、損切りをしなかった人は救済されますが、それまでに損切りをしてしまった人はどうしようもありません。最もスムーズなのは「ロールバック」で全取引を帳消しにすることです。

ただ、システム仕様上または時間経過の問題でそれができないのなら、16日の時点でヒカル氏らのVAの取引で損失した人とその金額を洗い出して、損失を補填すべきだったと思います。

また、一連の取引で得た手数料を寄付するというVALU社の対応にも、驚いた投資家も多かったのではないでしょうか?(損害を受けた人の損失を補填するために使うのではなく、なぜ外部団体への寄付にするという結論になるのか?

他にも細かい疑問点や謎があるのですが、上記の6つについては特に気になりました。おそらく部外者の私から見ても「んん?なんだこりゃ?」と感じるぐらいなので、当事者の人はもっと疑問が残る結果になったのだろうと察します。

Next: VALUが「証券」ではなく「商品」であることの意味とリスク

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