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2017年 強気筋の予想「1ドル130円、日経2万3000円」に死角はあるか?=江守哲

ドル円相場は一服中

足元では、トランプ氏の大統領選後のドル高基調がやや一服気味です。クリスマス休暇前ということもあるのでしょうが、伸び悩んでいるようにも見えます。

この点を考慮すれば、そろそろ調整が入ってもよさそうな感じもします。120円の節目に届く前に、いったん下げる。このようなパターンはよくあることですので、要注意ともいえます。

2016年前半、円高の背景とは?

今後の動向については後述するとして、まずは今年の振り返りです。

今年の為替市場を振り返ると、年初からドル円は急落し、2015年の上昇基調が反転する動きとなりました。それまで市場ではドルに対して強気な見方が支配的だっただけに、市場参加者の多くがこの動きについていくことができませんでした。

また、ドル円のロングを大量に抱えていたこともあり、ストップロスの売りがさらに下げに拍車をかけました。

これらの動きは、市場では意外感をもって受け止められました。しかし、このメルマガでは、今年は円高の年になると繰り返し解説してきました。そのような予測ができた根拠はたくさんありました。

ドル円はそれまでの3年間、上昇していただけに、下落しても全くおかしくありませんでした。過去のドル円の上昇期間を見ると、おおむね3年が限界となっており、その翌年には下落する傾向がかなり鮮明だったからです。

また、米連邦準備理事会(FRB)が15年12月に利上げを実施したことも影響しました。それまでにドル円は十分に上昇しており、利上げは織り込まれていました。さらに、直近3回の利上げ局面では、利上げ後にドルが下落する傾向が鮮明でした。

このように、利上げ前にドル高が織り込まれるパターンが明確であり、今回もそのパターン通りの動きになっただけに過ぎなかったわけです。

つまり、年前半の円高は起きるべくして起きた。そう考えるのが妥当だったわけです。

そして、年央に向けてドル円は下落ピッチを速め、3月には110円を割り込み、6月には105円をも割り込む急落となりました。私は年末にかけてドル円が100円に下落していくことを想定していましたので、この下落ペースはあまりに早すぎました。

Brexitはチャンスだった

そして、6月23日の英国の欧州連合(EU)の離脱に関する国民投票を迎えました。投票の結果は予想に反して英国民が離脱を選択することになりました。この結果、ドル円は100円を割り込み、99円の安値を付けました。

その後も8月と9月にも100円割れを試しましたが、大きく下げることなく反発し、結果的にここがトリプルボトムを形成する格好となりました。

ここで、ドル円は底値を付けたと判断できればよかったのですが、それができなかったことは反省すべき点といえます。というのも、過去15年のドル円の平均値幅は16円でした。この時点で今年は22円の値幅になってましたので、これ以上の値幅を期待する必要がなかったわけです。

トランプ・ラリーはなぜ起きたのか?

そう考えると、いまさらながらですが、米大統領選後のドル円の動きもある程度予測できたはずでした。

選挙結果は市場の事前予想を覆すサプライズとなり、圧倒的に優位とされてきた民主党候補であるクリントン氏が敗れ、共和党候補のトランプ氏が勝利しました。

主要メディアがクリントン氏の勝利を予想していたこともあり、投票開始後の速報でトランプ氏の優位が鮮明になると、米国株の先物に売り出て、ドル円も下落しました。

しかし、ドル円が100円の大台を割り込まずに反転し、日本株や米国株先物なども急落したものの、下げがそれほどでもなかったことから買戻しが入り、投票日翌日の米国市場では引けてみると大幅高となりました。

ここが市場の転機となりました。

当初はトランプ氏が勝利した場合、金融市場は混乱し、ドルは売られ、株価は大幅安になるとみられていました。

確かに、最初の市場の反応としてはそのような動きになったものの、その日のうちにドルは上昇し、株価もプラス圏で引けました。これは市場の当初の予想と全く逆の動きであったといわざるを得ませんでした。

このように、トランプ氏の勝利自体がサプライズでしたが、それ以上にドルや株価が反発したことの方がサプライズであったといえます。

市場参加者は、トランプ氏の勝利を好意的に捉え、それを株価やドルの動きに反映させる投資行動をとったことになります。

「投機筋の思惑」以上に強い相場

これには、ヘッジファンドがショートからロングに大転換して、年末までの上昇相場を作り上げ、収益獲得を図ったというからくりがあるわけですが、いずれにしても、強い動きになったことは間違いありません。

米国民の民主党政権が続くことへの嫌悪感や、破天荒に見えるトランプ氏の大胆な改革や行動・政策への期待が、その後の株価やドルの急伸をもたらしたことも事実でしょう。

その後、米国株は連日のように過去最高値を更新するなど、まさに歴史的な上昇になる一方、トランプ氏が掲げる財政出動や減税、インフラ投資の拡大などを背景に、長期金利が上昇したことで、ドルも大幅に上昇しました。

この結果、ドル円はわずか1カ月あまりで17円も円安になりました。

Next: ドル高の持続性に疑問符。5~10円幅の調整はいつでも起こりうる

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