一番マシな消費増税「(4)増税でワイズスペンディング」の狙い
先に述べた「(3)増税で教育社会保障」よりもさらにマシなのが、「(4)増税でワイズスペンディング」オプションです。
つまり、教育、社会保障だけでなく、研究開発、科学技術投資、インフラ投資等にも、増収分を「柔軟」に充当していき、これを通して、「アクセル度」を「最大化」しようというオプションです。
しかし、それでもなお、「ブレーキ」の方がこの「アクセル」を上回る可能性は十分に想定されることは、ここに明言しておかねばなりません。
8%増税時の増収分をワイズスペンディングに回すべし!
以上、10%増税についてあれこれ論じましたが、それ以前にそもそも、8%増税した時の3%分の大半は、「最悪」の「借金返済」に回されたのですから、その分を「ワイズスペンディング」に回す取り組みが、以上の議論以前に必要なはずです。
残念ながら、今の所、そういった声はどこからも聞こえてきませんが…ぜひ、今回の選挙時の公約でこういった点も議論してもらいたいと思います。
「(3)増税で教育社会保障」を採用なら、「コンクリートから人へ」が加速する
ところで、以上に述べた「(3)増税で教育社会保障」は、ワイズスペンディングの視点から言うなら、結局は、かの民主党政権が主張していた「コンクリートから人へ」の財政方針と類似したものと言わざるを得ません。
そもそも、民主党政権は公共投資を3割カットしましたが、自民党政権になっても、当初予算ベースで言うならそれは基本的に増えてはいません。一方で、社会保障は順調に拡大し続けています。
つまり、補正予算の多寡を除けば、今の自民党政権下での財政は、民主党下の「コンクリートから人へ」路線をそのまま引き継いでいるわけで、今回もしも「(3)増税で教育社会保障」オプションが採用されれば、「コンクリートから人へ」路線はさらに加速することになります。