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長続きしそうにない円安・株高。9月FOMC声明とイエレン会見を読み解く=E氏

依然として円買い戻し・ドル売り圧力は強い

通貨の価値は相対的なものなので、ドルが上がるには他の通貨が下落する必要がありますが、昨年後半のドル上昇時にはその反対勘定としてが使われました。

しかし、円もまた投機筋によってオーバーアクションをさせられて、昨年末時点で大幅な円ショートが積まれたために、日本の金融政策が何も変わらない中でも年初来で円が上昇し続けたのです。

この円は、4月以降は、今度はユーロの過剰買いの反対勘定にされたことで、円高進行が足踏みになりましたが、まもなく量的緩和縮小開始ということで、材料出尽くしによるユーロの頭打ち間が出てきた中で、北朝鮮問題が出てきたことで、安全資産需要が急激に高まりました。

しかし、今年6月時点でも円ショートは高水準だったので、円を買い戻す際に、(量的緩和縮小が近いユーロを売るのは怖いので)ドルを売るニーズが高まって、7月以降ドル安が進行したのです。

では、今の円の投機筋ポジションはというと、かなり買い戻しが進んだとはいえ依然としてショートポジションなので、依然として円の買い戻しによる、ドル売り圧力は強いといえます。

売られる理由に乏しい円

また、日米金利差で考えても、円が売られ続ける理由は乏しいです。

今年6月下旬以降、米長期金利の急上昇に伴って日米金利差拡大の思惑から日本円が大幅に売られたときもドルは下落していましたが、それは米朝金利が米国の期待インフレ率が上がったことで上昇したのではなく、あくまでも投機的な理由で欧州金利が急上昇したことに釣られて米国債利回りも上がっただけでした。

欧州債の利回りが急上昇したのは、ECBが早ければ秋口にも量的緩和縮小を開始するという見込みが台頭して金融引き締め懸念で債券利回りが上昇したのですが、間もなく欧州の量的緩和縮小が始まろうとしている今の欧州債利回りは、6月時点よりもむしろ低下しています。

同様に、先週のFOMCを受けても米国債利回りも6月下旬の水準より低い水準なので、こういった過剰な債券価格の動きは投機筋によるオーバーアクションと判断できます。

また、金融政策の方向性を考えると円安云々という方がいますが、日本は緩和を続けていると言っているだけで、実際は昨年9月から量的緩和縮小的なアクションをしています。

具体的にいうと、昨年9月までは第二次量的緩和のターゲット通り年間80兆円の債券購入によって市場にマネーを供給していましたが、昨年9月の日銀政策決定会合で「長期金利が0.1%が超える状況では無制限に供給する」というスタンス変更の結果、長期金利が0.1%以下の状態では引き締めサイドのアクションになってしまうので、年間国債購入額増加ペースは昨年10月以降漸減して、昨年12月には70兆円台、今年6月以降は60兆円台まで低下しています。

こうした実際のマネーの供給量を考えると、円が独歩で下落するステージは最早通過したと判断するのが妥当です。

Next: では、足元でドル安・円高が進行しなかった理由とは?

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