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カード嫌いの日本人はなぜレジで行列中も「現金払い」に固執するのか?=岩田昭男

ネット通販で根強いセキュリティ不安

それは総務省の調査データからもはっきり裏付けられています。総務省が全国の15,000世帯を対象にインターネット利用の調査「平成27年通信利用動向調査の結果」を実施しました。その中でネット決済全般について調査していますが、ここからその結果を抜き出してみましょう。

まず、どれくらいの人がネットショッピングを利用しているのでしょうか。インターネットを利用している人の利用目的・用途をみると、「電子メールの送受信」「天気予報の利用(無料のもの)」「商品・サービスの購入・取引」などある中で、第1位は「電子メールの送受信」で、74.3%と最も多く、つづいて第2位は「天気予報の利用」で、54.2%、第3位が「商品・サービスの購入・取引」となり、インターネットを買い物に利用している人が、全体の53.3%(複数回答)ありました。

その人たちの決済方法をみると、「クレジットカード払い」の割合が69.2%と最も高く、次いで「代金引換」が39.0%「コンビニエンスストアでの支払い」が36.1%となりました。

クレジットカードの割合が7割というと、そこそこ多いとは思いますが、いずれも複数回答ですし、私はネットでの支払いならもっと使われて良いのではと思います。逆に言えば、代引きなどが4割以上あるということは、より安全に現金で支払いをしたいという思いがその中にあることを物語っています。

はっきりいえば、クレジットカードのセキュリティが不安なので、現金に流れているということではないでしょうか。それがクレジットカード普及の足かせになっていると思われます。

「代引き」依存症

また、多くの人が代引きを選ぶ理由についても「なるほど、そうか」と分かる調査結果もでています。

インターネットを利用している世帯のうち、「少し不安を感じる」、「不安を感じる」と回答した世帯の割合が合わせて78.6%となり、8割近くの世帯が不安を感じていることがわかりました。

また、どんな不安か、その内容については、「個人情報が外部に漏れていないか」の割合が80.4%と最も高く、次いで「コンピューターウィルスへの感染」(77.9%)「迷惑メールが来ること」(47.3%)となっています。

とくに第1位の「個人情報が外部に漏れていないか」の不安は、ネットに接続している限り、毎日のように感じるところですし、ネットで買い物するとカード情報を店の店員に抜かれるのではないかと怖くなります。

Next: 現金よりもカードのほうがよほど「安全」である理由

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