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投資家が身構えた「11.9 日本株乱高下」値幅860円が意味するものとは=馬渕治好

じわり広がる「米国市場への懸念」

まず、米国の状況を見ますと、これまでは、税制改革(減税案)やそれを含む予算審議については、予想以上に順調に進展してきました。それは、当初の大統領と共和党指導部協働の減税案や、それを受けた予算決議(予算を大まかに示すもの)の上院、下院での可決、さらに具体的な税制法案の下院共和党からの発表(11/2、木)などでした。

ところが、11/9(木)に上院共和党が公表した税制法案では、連邦法人税(国の法人税)の35%(現行)から20%への引き下げは、下院案のような2018年ではなく、2019年からとされました。

今後上下院で一本化へ向けての協議が行なわれるため、最終的に上院が下院に大きく譲歩し、2018年からの税率引き下げとなる展開は否定はできません。ただ、上院の案は、共和党内に根強い、財政規律を守るべきだとする勢力の強さを示すものであり、それを受けて、ようやく米国株式市場がじわじわと減税策の行方について懸念し始めた(減税が議会で可決される時期の不透明化も含めて)と言えます。

この他には、連銀人事に関連して、先行きの金融政策にじわりと不透明感が漂い始めています。来年2月のイエレン現議長の任期切れ以降は、パウエル理事が議長に就任すると11/2(木)に発表され、市場は現在の連銀の金融政策がそのまま維持されるだろうと、安心感を抱きました。

ところがニューヨーク連銀総裁であるダドリー氏(任期は2019年1月まで)が、来年2018年半ばまでに退任すると、11/6(月)に明らかになりました。パウエル氏指名の直後であり、かつトランプ大統領が米国を離れているタイミングでの退任表明は、唐突感があります(ただし、ダドリー氏本人は」かなり前から決めていたことだ」と語っています)。

これにより、来年はイエレン現議長パウエル総裁(ニューヨーク連銀総裁は、常にFOMCのメンバーであるという特別な立場にあります)が退任し、今年10月に任期途中で既に辞任したフィッシャー前副議長を合わせて、これまでと人事ががらりと変わります

新しい連銀が、いったいどういう金融政策を取るのか(とは言っても、いきなり方向性が変わるわけでもないですが)について、じわじわと不透明感が市場に広がりつつある状況です。

以上に述べた米国についての不透明感は、急激に表れたものすごい悪材料といったようなものではありません。ただ、じわじわと広がりつつある懸念が、じわじわと米国の各市場に重石となり、市場に怪しげな動きが始まりつつあります

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