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ソフトバンクと楽天の「投資事業の凄さ」を真面目に語ってみる=シバタナオキ

ソフトバンクビジョンファンドの目指すIRR

最後に、ソフトバンクビジョンファンドに関してどのIRRを目指しているのか、などの情報を整理してみたいと思います。

In fact, these same sources say SoftBank’s investors believe they’ll see at least a 20 percent internal rate of return(IRR)over time from Vision Fund as it funds whole sectors being disrupted by artificial intelligence and machine learning - from pharma, to utilities, to ridesharing ‐ and whose data SoftBank can leverage into an endless stream of opportunities.

Techcrunchによれば、ソフトバンクビジョンファンドは最低でも20%のIRRを目指していると言われています。

The idea, these people say, is not to produce venture-like returns. The idea is instead to return more money to investors than private equity firms like KKR, whose first 18 private equity funds wound up delivering more than two times total capital invested on a gross basis, and produced a net IRR of 18.9 percent. Says one source close to SoftBank, “If someone is investing in [Vision Fund], he’s expecting to get better returns than with KKR and Blackstone.”

この20%のIRRというのは、いわゆるアーリーステージのトップティアーのベンチャーキャピタルに比べると、比較的小さい数字にも見えます。

一方で、世界最高峰のプライベートエクイティファンドであるKKRやブラックストーンなどと比べて、まったく遜色がない数字になっています。

アーリーステージのベンチャーキャピタルファンドの場合、ソフトバンクビジョンファンドの10兆円に比べると、だいぶ小さいファンドサイズになりますので、高いリターンを出せるプレイヤーがいくつかいますが、ファンドサイズが数兆円の規模になってくると、ベンチマーク対象としてはKKRなどのプライベートエクイティファンドと比べるのが適切だと言えるでしょう。

Indeed, 20 percent IRR over seven years - the time SoftBank estimates it will take most of Vision Fund’s bets to play out ‐ is the “worst-case scenario” says one source. “Best case,” adds this person, is “investors get close to what Masa has done in the past.”

さらにこの20%のIRRというのは「ワーストケースシナリオ」だと述べられており、「ベストケース」の場合は、ソフトバンクは自社で投資を行った場合のIRR、つまり40%を超えるIRRが期待できる可能性もあるとしています。

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自社でコーポレートベンチャーキャピタル事業を開始して、既に$1B(約1,000億円)以上を投資し、30%を超えるIRRを記録している楽天キャピタル。そしてこれまで、歴史上過去にない規模で資金調達を行うワールドクラスのIRRを狙おうとしているソフトバンクビジョンファンドの2つは、これからも追いかけていきたいと思います。

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image by:son masayoshi, mikitani hiroshi Wikimedia Commons

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決算が読めるようになるノート』 2017年12月5日号『ソフトバンクと楽天の投資事業の凄さを真面目に語ってみる』より抜粋
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