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「子どもを貧乏にしたくない」親が知るべきルール。自己責任論は本当に悪か?=午堂登紀雄

「貧困の連鎖」を止める方法はいくらでもある

「お前だから言えるんだろう」と言われそうですが、私も大学を卒業したとき就職できずフリーターでしたし、最初に就職した会計事務所も1年でクビ同然で辞めたという、平均以下の存在でした。独立起業してからも、会社を2つ潰しています。

親の経済格差が子どもの教育格差を生み、貧困が連鎖・固定化するというのは、社会のせいでも政治のせいでもない。大学に進学させればハッピーになるわけでもない。

貧困の連鎖を本気で止めたいのなら、まず親(本人)が変わろうというのは、つまりそういうことなのです。

もちろん、孤児であったり早くに親を亡くしたり、虐待などで心の傷を負っていたり、ケガや病気をしたり、自分とは関係のないところで発生した様々な事情によって、ままならない人生に陥ってしまう人はいます。そうした人を支援することまで否定しているわけではありません。

そういった特別の事情がないのに、貧困の連鎖を社会や政治や他人のせいにする人は、自分が貧困から抜け出しさらに自分の子どもを貧困にさせないためにどうすればいいのかわからないし、考えるのも面倒くさい、努力するのはもっと面倒くさいという、怠惰な人間なのでしょう。

本を読み、思索しよう

そんな人間にならないためのお勧めの方法のひとつは、やはり本を読むことです。

怠惰な人間の部屋には本がない」という話を何かの本で読んだことがありますが、読書という多種多様な価値観に触れて考える習慣がないと、今までの自分が持っていない判断軸を取り入れられる頻度が少なくなり、生きる選択肢が狭くなるのだと思います。

しかし今や人間のあらゆる活動領域において書籍が出版されていますから、自分が目指すべき生き方や、そうなるための方法論は簡単に知ることができます。

ただし、自分の価値観と違うからと、気に入らないからと反発するだけでは、本を読む意味はまったくありません。

著者の主義主張をいったん自分の中にくぐらせて、「では自分はどう考え、どう行動するか」と、自分の人生に応用する姿勢を持つことです。本の内容を参考に、自分の人生がレベルアップし、幸福感につながる行為こそが「本から学ぶ」ということです。

単なる反発や否定は何も生み出さないし、それは「自分とは違う意見を受け入れられない頭の固い人間」ということであり、つまり「学習能力がない」ことを意味します。

あるいは、著者の価値観や著者が指摘している懸念・不安・リスクなどに対して、「なぜ自分は著者とは違う意思決定をし、違う行動をしたのか」と振り返ることです。

すると、「だから自分はこうしたんだ」と自分の判断を支える根拠がより強くなり、自分の選択や生き方に自信が持てるようになります。

Next: 日本に「本当の格差」など存在しない

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