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杞憂に終わる「ダウ暴落」イエレン利上げで米国株式市場が死なない理由=江守哲

バブル崩壊のシグナルは「米2年債と10年債のスプレッド」に現れる

そのポイントですが、それは米2年債と10年債の利回り差(スプレッド)を見ておくことです。

このスプレッドは現在、マイナス1.225%です。つまり、10年債の利回りが2年債を上回っていることになります。

そして、この関係が逆転すると、景気の過熱が抑制され、株価が下落に向かうサインになるという考え方です。

つまり、短期債である2年債の利回りが、長期債である10年債を上回れば、短期資金の調達コストが上昇することになりますので、景気が抑制されやすくなるわけです。

過去にこのサインが見事に株価の高値を示しています。ひとつは2000年のITバブル時です。

この時のことは詳しく説明するまでもないでしょう。株価が「根拠なき熱狂」と呼ばれるほどに上昇し、結局は大崩壊したわけです。

このときも、2年債と10年債のスプレッドはプラスになりました。そして、同時に失業率も3.8%にまで低下していました。見事な逆相関で、株価はその後低迷時代に入りました。

ふたつめはサブプライムローン問題からリーマン・ショックにつながるところです。

このときは、株価が下げ始める1年以上も前から2年債と10年債のスプレッドはプラスになっていました。つまり、かなり市場が踏ん張ったあとに、暴落したわけです。このときも、失業率は4.4%にまで低下していました。

このように考えると、利回りスプレッドがプラスになるときに失業率も大きく低下した場合には、かなりの確率で過熱感がピークに達し、株価もピークアウトして下げていくということになります。

現在は心配するような状況ではない

では、現在はどうでしょうか。前述したように、まだまだ心配するような状況ではありません。つまり、FRBが相当利上げをして、その結果、短期金利が大幅に上昇するまでは、株価も高値を保つことが可能といえます。

したがって、FRBの利上げペースや景気動向にもよりますが、あと数年ほどは景気や株価は好調な状況が続くと考えることも可能です。

ちなみに、ITバブル崩壊時の2年債・10年債利回りの水準は6%台、サププライムローン問題の際には5%台でした。

今の2年債利回りはわずか1.35%。まだまだ大丈夫そうです。金利上昇が景気や株価を押し下げるには、まだ相当遠いといえるでしょう。

Next: 「そろそろ米国も危ない」という不安に対する、もう1つの見方

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