価値の源泉は「希少性」
コインがショックに強い2つ目の理由は、コインの価値の源泉が希少性にあるという点ではないかと思います。
確かにコインを物質的な側面で見れば、金であり、銀であり、場合にっては銅や亜鉛などではありますが、コインの価値全体に占めるこれら金属の価値などたかだが知れています。
極端な事例として神聖ローマの10ダカット金貨を挙げますと、このコインの重量は35グラムほどに過ぎませんが、コインの価値は2000万円ほどいたします。
金35グラムの価値は20万円以下ですので、金属としての価値は、このコインの場合たったの1%に過ぎません。では、残りに99%部分は一体どこから来ているのでしょう。
答えは希少性です。
コインを手に入れたい望む人は、物質としてのコインに魅力を感じているのではなく、コインのデザインであったり、歴史であったり(例えばナポレオン家の収集品だったなど)に魅力を感じます。でも仮に、そのコインがザクザクあればどうでしょう。この場合、そのコインに1000万円、2000万円の値がつくとは到底思えません。
つまり欲しいと望む人がたくさんいる一方で、そのコインの枚数が極めて限定されている状態。ここでは一種のオークション的な環境が生まれ、コインの価格は高騰するわけです。
多くの収集家が好むデザイン、歴史、来歴を備える一方で、コインがホンのわずかしか残っていない状態…。これを一言でいえば「希少性が高い」ということになるでしょう。
先ほどの例に当てはめれば、10ダカット金貨2000万円のうち、99%は希少性が占めているといってよいでしょう。
この希少性は人が本源的に持つ嗜好性によっているだけに、景気の変動や金融ショック、もっといえば浮ついたマネーの世界からも遠い距離にあり、これがコイン相場がショックの影響を受けにくい2つ目の理由です。
このようなコインが備えた特徴は、資産運用における分散効果という点でも、大変意味のある性質ではないかと僕は思います。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2018年1月18日, 23日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
一緒に歩もう!小富豪への道
[無料 毎週火曜日+号外あり]
富裕層むけ、富裕層入りを目指す方むけの究極の資産防衛メルマガ!一国だけに資産を集めておくのは危険な時代がやってきました。海外ヘッジファンド、貴金属、不動産からアンティーク・コインまで、金融不安に負けない世界分散ポートフォリオを、経験豊富なファイナンシャル・プランナーが誠意をもってご案内します。