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ドトールの株主総会は終始なごやか、会社愛が溢れるファンクラブ的ムード

会場の様子は?詳細をレポート

そんなドトールの株主総会は、昨年同様、株主総会と言う名のファンクラブとも表現できるような雰囲気に包まれていました。

10時の総会開始と同時に「議長解任」などと、なにやら騒いだ株主が4名くらいの係員に連れられて退場した後は、終始なごやか。
総勢54000名ほどの株主のうち、2000名を超える株主が参加しているにも関わらず、荒れる場面はありません。会場はメイン会場を含め、第4会場まで用意されていたようなので、実際にどれくらいの株主が来ていたかは定かではありませんが……。

30分ほど、パワーポイント画面を使って社長が経営の報告等をすると、質疑応答の時間になりました。飛び出す質問は、ドトールファンならではのものばかり。

まず、事前に書面で受けていた質問について「店員がドリンクのサイズを間違えた。それについてお客様から指摘されると、カップからカップに移し替えることで対応した。これはしかるべき対応なのか、という質問をいただきました」と社長から説明があり、続けて「この場合、再度、きちんとコーヒーを淹れ直すことになっている。申し訳ありませんでした」と回答が。
客商売だけあって、こうした質問への対応にも誠実さを感じます。

さて、ここからは、会場にいた株主との質疑応答へ。

株主「先ほど話にあった、マレーシアへの進出は?」
社長「60%出資で現地法人を立ち上げた。年内開店目標。ハラル認証は検討中。なお、マレーシアは60%はマレー人であるが、経済の70%は中国系が握っています」

株主「店舗でのフリーWifiの導入は?」
社長「現在611店舗で導入済み。さらに進めています」

株主「コーヒー豆の価格の高騰は大丈夫か?」
社長「豆の先物を1年先まで手当済み。値上げはなるべくしないつもりです」

株主「ラテがメニューに載っている写真と違う」
社長「本日中に確認します」

こんなやりとりが続きます。
ラテの件は面白い質問だと思いました。飲食店で良くありますよね。
メニューの写真より野菜がすくないとか、お肉が小さいとか。
ラテは、素敵なラテアートが描かれた写真が利用されることも多いですから、ギャップを感じることがあるかもしれません。

そんな質疑の中で、私が一番興味を持ったのは、星乃珈琲店のこと。
現在、少し郊外のロードサイドを中心に展開中の星乃珈琲店。たまにしか行きませんが、落ち着いた店内で過ごしやすい。
私は、特にモーニングで利用することが多いのですが、どうやら、この珈琲店のファンが増えているようなのです。

株主「星乃珈琲のコーヒーはドトールよりおいしい。ケーキも。ドトールでこの味を出せないのか」
社長「ドトールはスッキリしたブレンド、星乃珈琲は深入り。お客様のお好みで使い分けていただきたいのですが、どちらもおいしいと思ってもらえるように努力します」とのことでした。

ドトールグループが仕掛ける新業態。
ファンが増えているとしたら、株主としてもとてもうれしいこと。

なお、丸ビルにも新しいカフェを開いたとのことでしたので、今度行ってみようと思います。

先月のメルマガで触れた、ガンホーとは違う、なごやかな株主総会。
荒れない理由の1つは株価が伸びていることだと思いますが、もう1つは、ドトールを実際に利用しているお客が個人株主となっているためだと感じます。

「私は鳥羽社長のころから株主で株主総会にも参加している。実績も申し分ない!役員はちゃんと店舗を見て回っていますか?人材育成はちゃんとしていますか?」と言う発言をする株主もいるくらいです。

余談ですが、実は、今回の株主総会で、星野社長が議長として壇上に立った瞬間、「存在感が増したなあ!」と感じました。
スッと背筋を伸ばしまっすぐに株主の方を向いて立つ姿と、自然な笑顔に強いパワーを感じました。きちんと経営に取り組んでいるということの現れだと思いました。
『平林亮子の晴れ時々株主総会』vol.22(2015年6月15日号)より一部抜粋

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