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平成とは日本が泰平の眠りについていた時代。ポピュリズムと右傾化からは揺り戻しへ。トランプ大統領に歯止めはかかるか?【大前研一「2018年の世界」(2)】

マティス国防長官は、トランプの暴走を止められるか

トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都だと認定して宣言した際、ティラーソン氏は、テルアビブにある米大使館のエルサレムへの移転は2017年中には実現しない、2018年もおそらくないと述べました。

大統領が移転の準備を指示しても、それを実行するのは国務長官の権限です。ティラーソン氏のこの発言によって、件の宣言はトランプ氏の暴走にすぎず、米国は実行しないだろうと国際社会はヒントを得ることができたのです。

イスラム圏で一時燃え上がった反米運動が今いくらか下火になっているのは、そういう背景が透けて見えてきたためです。

ただ、この事態についてトランプ氏は非常に怒っていますし、以前からティラーソン氏はトランプ氏のことを「moron(まぬけ)」呼ばわりするなど関係は良好とは言えませんので、ティラーソン氏が更迭される日がいよいよやってくるのかもしれません(※編注:ティラーソン氏は3月31日をもって正式に解任され、後任にポンペオ元CIA長官が付いています)。

かたやもう1人の重要人物、マティス国防長官は軍人らしい軍人で、自分は大統領の命令には従うとしていますが、「状況を把握していない大統領が核のボタンを押せと私に命令した時は、私の判断で押す」とも述べています。

今の国際社会が最も恐れているのは、トランプ氏が人気取りのために暴走し、北朝鮮に向けて核ミサイルのボタンを押すことです。しかし、マティス氏はあくまでも自分の軍人としての判断を行う、米国民のインタレストに基づいてちゃんと判断すると発言しているのです。

マティス氏自身の北朝鮮情勢への態度は「圧力よりも対話」で、話し合いができず向こう側がどうしても武力を使うと言った時に自分は判断をする、というものです。トランプ政権においてはこの2人が今はよりどころなのです。(次回に続く)

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記事提供:biblion

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