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仮想通貨は死なない。ブロックチェーン技術に注目してわかった次の有望コイン=高島康司

問題の解決策は既にある

前述の通り、再生可能エネルギーの普及には大きな壁がある。しかし、プログラムの自動実行機能を持つイーサリアムなどのスマートコントラクトのブロックチェーンを導入すると、再生可能エネルギーに特有なこうした問題が解消される見込みが出てくる。

<問題1「発電量が不安定なので送電網に負荷がかかる」の解決策>

解決には、電力網に負荷がかかり出力が不安定にならないように調整するシステムが必要になる。もしイーサリアムのスマートコントラクトのようなプログラムの自動実行機能を持つブロックチェーンを効果的に導入すると、送電線のキャパシティーを越えて負荷がかからないように、風力や太陽光の発電量を自動的に調整できる。風力であれば、ファンの回転数を自動的にコントロールしてくれるのだ。

<問題2「世帯間の需給にムラがある」の解決策>

需給にムラがある状況で自家発電を行っている世帯を、プログラムの自動実行機能を持つイーサリアムなどのスマートコントラクトのブロックチェーンを導入してネットワークを作ると、余裕のある世帯の電力を足りない世帯に自動的に振り向けることができ、ネットワーク内の世帯にはいつも安定した電力の供給が可能になる。

<問題3「電力の売買に時間がかかる」の解決策>

そしてブロックチェーンでは、ネットワークにつながった世帯の電力の売買には独自な仮想通貨が使われるので、決済に時間がかからない。支払いは瞬時に完了する。これでこの問題も解消する。

投資対象になりうる最先端のプロジェクト

再生可能エネルギーの分野にブロックチェーンを導入するとこのようなメリットが期待できるが、すでにこれは実現しつつある。

それでは、この分野をけん引している先端的なプロジェクトを4つ紹介しよう。それは期待の持てる投資対象でもある。

<テネット(TenneT)>

公式サイト:https://www.tennet.eu/our-key-tasks/innovations/blockchain-technology/

解説ビデオ:https://www.youtube.com/watch?v=pee0kixUN2Q

TenneTトークンのチャート:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tennet/

まず最初に紹介したいのは、テネット(TenneT)である。これは先の発電量の不安定さによる送電網への負荷という問題をブロックチェーンを導入することで一気に解消を目指すプロジェクトだ。

これはオランダの大手送電事業者であるテネット社(TenneT)がドイツで蓄電池開発などを手がけるゾーネン社(sonnen)と協力して実施するプロジェクトだ。

これはブロックチェーンの技術を活用して、家庭用の蓄電池を制御して再生可能エネルギーの出力変動に対応する。ゾーネン社の技術によって家庭用蓄電池が相互接続され、充電管理ソフトウェアがテネット社の送電網の状態を反映して動作する。これらのネットワークに接続された蓄電池は、必要に応じて余分な電力を数秒で吸収・放出することができ、送電網の負荷を低減する。

ちなみにこのプロジェクトは、すでに2016年から実証実験を繰り返しており、すでに画期的な成果が上がっている。ちなみにこのプロジェクトで使われるブロックチェーンは、IBMが開発した「Hyperledger Fabric」というフレームワークに基づいたものが使われている。

公式サイトも紹介ビデオもすべて英語だが、イメージだけでも理解できると思うので、ぜひアクセスしてみるとよいだろう。

Next: まだある、将来有望なプロジェクトと仮想通貨

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