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米株が下がれば日本の年金は蒸発する~増え続ける世界の負債が経済をダメにする=吉田繁治

世界の経済問題の基底は、大きくなりすぎた負債

現在の、世界の経済問題の基底に、2008年以降、増え過ぎた負債があります。これが、様々な現象(通貨の下落、金利の上昇、物価の上昇、GDPの増加率の低下)となって、現れているのです。

日本では、財政赤字から発行が増え続けている国債の問題です。中国では、リーマン危機以降の、輸出急減の中でとられた内需対策の、高い住宅建設を増やした企業債務の大きさの問題です。

米国では、経常収支の赤字の増加からきている対外債務($35兆:3850兆円:2017年)の大きさの問題です。

トランプが、世界に対して輸入課税策(25%課税)を取っているのは、国内の減税(10年で$1.5兆:150兆円)と軍事支出の増加(7兆円増加して73兆円)から、米国の経常収支(貿易収支+所得収支)が、1年に$1兆レベルと大きくなり、対外負債が$40兆に向かっているからです。

対外債務が$40兆になると、3%という低いドル金利でも、利払いが$1.2兆(132兆円)になって、今度は、利払いによる債務の増加になって行くからです。

高い株価は、米国経済の弱点になっている

もう1点、米国の弱点は、リーマン危機以降で3倍に上がった「高すぎる株価」です。

アップルの株価時価総額は100兆円を超え、アマゾンも100兆円に達しようとしてます。米国株の時価総額は、$34兆(3740兆円)にもなっています。

(※筆者注:野村證券 世界の株式市場の時価総額。日本の株価時価総額〈東証一部:17年12月〉は、647兆円であり米国の約1/6です。証券業界は、米国を基準にして日本の株価が出遅れて低すぎとしていますが、本当は米国株が高すぎると認識しています)

根本の原因は、リーマン危機以降の、米国FRBの3度のQE(慮的緩和:$4.4兆)での、マネーの増発です。増加部分が新興国のグローバル生産になった消費財は、輸出原価が低いため、上がらなかった。

たとえば、日本の衣料は1枚単価が、1990年の1/3に下がっています。米国でも同じです。住関連商品と家電、PCも、同じです。上がったのは、株価(3倍)と不動産価格(+50%)です。
※参考:http://www.nicmr.com/nicmr/data/market/stock.pdf

Next: 米株が下がると日本の年金が蒸発する。対策しようにももう遅い…

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