先行指標はまずまずだが、平均時給は低調予想
それでは、先行指標や事前予想値を確認していきましょう。

先行指標の結果(青は改善・赤は悪化、数値はいずれも速報値)
ISM(供給管理協会)の調査による雇用指数を見る限りでは、製造業・非製造業ともに良好で力強い数字が続いており、貿易摩擦の影響を過度に懸念する必要はないように思われます。
しかしながら、相変わらず平均時給については、期待を裏切り続けたこともあってか、低調な予想となっており、ここでサプライズがなければ、なかなか現状ではドル買いに結びつきにくそうです。
悪ければ素直に下を試しそう!
テクニカル的には89日移動平均線(110.677円)を割り込んでしまい、ドル円はやや苦しい状態にあるといえます。
ただ、引き続きモミ合いレンジの範囲内ですので、過度に下値不安が高まる可能性は、それほど高くないでしょう。

ドル円チャート
昨日から今日にかけての下落が目立ちます。先にも書いたように、貿易戦争の中でも米景気が強いということが前提としてあり、リスクオフ(回避)の流れでもドル高になったことがドル円相場を支えてきましたので、これが崩れるようだと素直にドル安という流れになりそうです。
つまり、とりわけ平均時給が予想を下回った場合は、110.00円ラインという大台を試す動きになりそうですから、警戒しておきましょう。
逆に平均時給が予想を上回れば、21日移動平均線(110.936円)を試すことになるでしょうが、前月比+0.4%・前年比+2.9%となるようなサプライズレベルの強い結果にならない限り、上値もそこまでというところです。