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トランプは馬鹿か、戦略家か。両極端の市場評価を個人投資家はどう捉えるべき?=今市太郎

一方で「かなり戦略的」との声も聞かれる

不動産業界で長くトランプと付き合いのある関係者は、こうした散々の評価とは別に、「トランプは決して馬鹿ではない」という見方をしており注目されています。

確かに清廉潔白なイメージで大統領に当選したバラク・オバマは、最初はそのイメージ通りの行動で非常に注目を浴び、ノーベル平和賞なども就任早々に手に入れることになりました。

しかし、結果的に見れば、歴代大統領の中でももっとも空爆を行った人物であり、クリントン時代から続いていた軍産複合体に操られていた部分も多く、黒人初の大統領であった以外は、多くの失望を国民に与える存在となってしまったことは間違いありません。

その失望がヒラリー・クリントンではなくトランプを大統領にさせたと見れば、既存の社会経済の仕組みに多くの米国有権者が辟易していることは非常によく理解できる状況ともいえます。

トランプは女性問題も次々でてきますし、メディアを敵に回していることからロシアゲートでもどこまで嘘か本当か判らないところで滅茶苦茶に叩かれているのは事実です。

また完全雇用に近い失業率を実現した中で、さらに大幅減税を進めればインフレがやってくるのは当たり前なのに、FRBのパウエルに利上げをやめるようプレッシャーをかけるなど、経済学に詳しい人間ならば明らかにおかしいと首をかしげるような整合性のない発言を繰り返しています。

既得権益を破壊した「革命的大統領」と呼ばれる日が来る?

しかし、中国叩きトルコ叩きで国民の支持は高まっていますし、クリントンに代表される軍産複合体、ウォール街、シリコンバレーべったりの既得権益者保護の政治をことごとくひっくり返してズタズタにしている点を評価する国民が妙に増えている点にも、注意が必要になってきています。

実は後になってみるとトランプは既得権益をすべて破壊した革命的大統領であったという評価が登場する可能性すらあるわけです。

中国叩きは覇権争いというよりは米国のビジネスの脅威となる「中国製造2025」をターゲットにして徹底的に叩こうとしていることが窺え、中国とべったりだったクリントン、オバマ政権にはできないような制裁を加え始めている点も支持者を増やすことにつながっています。

トルコの米国人牧師の解放を巡る制裁では、今まで必ずしも強い支持が得られていなかったキリスト教原理主義者から改めて喝采を受けているようで、このあたりの支持も強まりつつあるようです。

Next: 米国経済にも好影響。トランプは馬鹿を装っているだけ?

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