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黒田日銀総裁がついに口にした「緩和の永続は望まない」発言、本当にできるのか?=今市太郎

政策金利が4%超なら、金利負担さえできなくなる恐れも…

日本がこれだけ国債を発行して借金を抱えてもなんとかやってこれているのは、ひとえに20年近く続くほぼゼロ金利政策で発行した国債の金利すら負担しないことにより、事実上の借金を減らす政策を延々と取り続けてきたからです。

1100兆円にも及ぶ国債の利払いが平均して年率で4%を超えようものなら、既存税収の58兆円強を利払いに充てた場合、公務員の給与さえ支払えなくなる危機的な状況に陥るリスクに直面しているといえます。

黒田日銀が行ってきた緩和措置は、とにかくいけるところまではやり続けなくてはならないのが実情です。

それを誰よりもわかっているはずの黒田総裁ご本人が公式的に出口のことを語り出すということは、国債を買い続けて行ける限界点がすでに見え始めてきていることを示唆しているともとれるわけです。

日銀の緩和終了は中央銀行バブル終焉のスイッチを押す可能性

米欧の中央銀行が緩和から引き締めへと舵を切った中でゴルディロックス相場がなんとか継続してきたのは、まさに日本銀行が緩和を継続してきたことが非常に大きな要因として働いていることは間違いない状況です。

しかし、これで日銀すらも緩和終了を明確にした場合、果たして足元の中央銀行バブル相場が維持できるのかどうか。かなり危ういところに差し掛かってきているといえます。

日銀の緩和終了は米国の債券市場にも非常に大きな影響を及ぼすことになりますし、なによりJGBの利率にもかなり大きな影響がでることはまず間違いないものといえます。

散々ETFを買い付けたことで高くなり過ぎた下駄をはいた日経平均が下落に向けた反転相場に向かうリスクも十分に考えられ、安倍総理、黒田総裁ともに口にしはじめた出口の問題は、国内外に相当暗い影を落としそうな状況が到来しそうです。

もともとこの金融抑圧を主体とした緩和措置にはまともな出口など用意されていないのが正直なところです。事実上の財政ファイナンスに近い動きをしてきた日銀が出口を示唆した場合には、ここから一体どういう決着がついていくのか。非常に注目されます。

Next: 市場参加者の8割「日銀は出口戦略を始めている」と認識

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