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「日程的複合要因」によって救われた世界同時株安、爆弾は遅れて破裂する?=近藤駿介

世界同時株安不安が高まった市場は落ち着きを取り戻しつつある。それは事態が好転したのではなく、日程的複合要因によってリスクが覆い隠されている可能性が高い。(『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』近藤駿介)

※本記事は有料メルマガ『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』2018年10月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:近藤駿介(こんどうしゅんすけ)
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験。評論活動の傍ら国会議員政策顧問などを歴任。教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝える無料メルマガに加え、有料版『元ファンドマネージャー近藤駿介の現場感覚』を好評配信中。著書に、平成バブル崩壊のメカニズムを分析した『1989年12月29日、日経平均3万8915円』(河出書房新社)など。

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落ち着きを取り戻しつつある市場

NYダウが2日間で1,300ドル下落し、世界同時株安不安が高まった金融市場も落ち着きを取り戻しつつある。NYダウは節目の25,000ドル台で踏みとどまり、一時21台まで上昇したVIX指数も18台まで低下してきた。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

NYダウ 日足(SBI証券提供)

まだまだ方向感が乏しい

終値ベースでは落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、NYダウの日中の値幅(=高値-安値)はまだまだ大きい状況が続いている。先週(15~19日)のNYダウの1日の値幅の平均は350ドルと、それまで2か月の平均約170ドルの倍に達している。こうしたところにも方向感が乏しくなって来ていることが表れている。

方向感が失われているのは、日程的にポジションを取り難い期間に入っていることが大きな要因である。こうした日程的な空白期間に起きたサウジアラビアの問題も不透明感を強める要因になっている。

サウジアラビア問題が脅威に

中東最大の産油国であるサウジアラビアは、原油の需給バランスや中東のパワーバランスを保つという重要な役割を果たすことで、独裁国・非人道的国家という側面を持ちながらも米国の友好国として自由主義国のように振る舞えてきた。しかし、それを続けることは難しくなった。

注目されているのはトランプ大統領の対応。サウジアラビアの非人道的行為が明白になった場合、中国や北朝鮮、イランの非人道的行為を非難してきた米国が武器購入を通して米国の雇用に貢献しているという理由で何の行動も起こさないというのは難しい

とはいえ、中東最大の産油国であるサウジアラビアに対してイランと同じような原油輸出等の経済制裁を加えることも難しい。イランに原油輸出という経済制裁を課せられるのもサウジアラビアに原油増産の余力があるからである。

市場への悪影響はこれから?

本来ならば莫大なオイルマネーを所有し、世界最大の投資国でもあるサウジアラビアの記者殺害疑惑は金融市場にとって大きなマイナス要因である。しかし、今のところその悪影響は金融市場に表れてはいない

それは、中間選挙が迫り、例えサウジアラビア記者の殺害疑惑がネガティブな材料であっても、投資家の多くが大きなポジションを取り難い時期にあるからである。

Next: トルコ、中国の動きにも変化?「日程的複合要因」が株価を下支えする

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