価値の源泉を正しく理解して、距離の離れたリスク分散を目指す
ですからおカネを一か所に集めてしまう行為は、裏を返せばリスクを一か所に集める行為でもあるわけです。
リスクを一か所に集めておけばどんなことが起きるのでしょう。
10年に一度しか起きない稀な出来事でも、100年生きるとすれば、生きている間に10回も起きる計算です。
100年に一度しか起きない出来事でも、確率的には100%起きてしまいます。しかも起きたときの被害は壊滅的です。生きているうちに必ず壊滅的な被害に遭うならば、そのリスクを分散するしか手はありません。
ただしいくら分散しておいても、すべての資産が共倒れになってしまえばお終いです。
例えば日本国債と国内の現預金の関係をみてみましょう。両者はいずれも、発行体である日本政府の信頼性が価値の源泉です、逆に言えば日本の財政が破綻すれば、共倒れする関係にあるわけです。
生命保険や公的年金も同様です。昨今は公的年金も日本国債のウエイトを下げていますが、それでも1/3以上は日本国債で運用しています。
民間の生命保険はさまざまですが、死亡保障型の保険は大半が日本国債で運用されています。
ですからこれらの金融商品も、おおむね日本国債や現預金と同じリスクを持っているといえるでしょう。
このようにいくら頑張って分散しているつもりでも、源流が同じならそれは分散投資とは言えません。
いつもお話ししているように、ペーパーアセットと実物資産をまずしっかりと頭の中で区分して考えること、さらにそれぞれの中で分散しておくこと。これが「距離が離れた資産に分散する」ことの意味です。
長期的にみればこの考えは必ず役に立つと思います。
『一緒に歩もう!小富豪への道』(2018年11月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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