韓国株式市場から一部の資金が匿名性アルトコインに移動
しかし、悪いことばかりではありません。今年1月下旬のコインチェックへのハッキングによって、市場から資金が流出する一方だった仮想通貨市場が息を吹き返したことです。
「ビットコイン、ビットコインキャッシュに何が起こったんだ!」…米国の利上げは、真冬の底冷え状態にあった仮想通貨市場を再び揺り起こして、ちょっとした相場を形成しています。
仮想通貨市場に、どこから資金が流れ込んでいるかを視覚化しているCoinlibの「money flow in the last 24 hours」によれば、この数日、大量の韓国マネー(South Korean Won)が、怒濤のように流れ込んでいることが分かります(下図参照)。

出典:Coinlib「money flow in the last 24 hours」
仮想通貨は有価証券ではありませんから、仮想通貨市場も金融市場ではありません。しかし、韓国では、2019年から仮想通貨課税が導入され、仮想通貨のトレードによって得た利益に課税されることになっています。
韓国株式市場の危うさを感じ取った投資家たちが、この暴落で株式を売って現金化した後、最後の資金の避難先として仮想通貨市場に投入しているのです。
2017年(仮想通貨元年)とは事情が違う?
韓国人の仮想通貨への投機熱は相変わらずですが、「仮想通貨元年」と言われた2017年と大きく様相を異にしているのは、仮想通貨の主要なプレーヤーであった日本人投資家のジャパンマネーが細ってきていることです。
規制が厳しい中国の資金も、かなり細っています。反対に、ユーロの流入が、ちょろちょろと目立つようになってきました。
特徴的なことは、韓国人投資家に人気だったビットコインキャッシュへの資金流入が思ったほどではなく、モネロ(Monero)やジィーキャッシュ(ZCash)などの匿名性通貨への流入が増えていることです。
にも関わらず、ビッコインキャッシュが暴騰したのは、11月16日の午前1時過ぎに予定されているビットコインキャッシュのハードフォークによるものであると見ることができます。ですから、それが過ぎると価格は元に戻る可能性があります。
その他の匿名性アルトコインの価格上昇は、2019年からの課税に対して、匿名性通貨であれば課税から逃れられると考えている投資家が多いことが理由かも知れません。
日韓の間に横たわる根の深い問題
南北朝鮮は統一に向けて一歩も二歩も前に進み出しています。
しかし、従軍慰安婦問題をはじめとする日韓の間に横たわっている根の深い問題は解決されそうもありません。
その上、韓国の最高裁に当たる大法院が、10月30日、日本企業に対して「元徴用工」に計4億ウォン(約4,000万円)の支払いを命じる判決を下したことから、両国の溝は、さらに深くなってしまいました。
これに対して、すでに解決済みとの立場を取っている日本政府は、「外交ルートでの関係修復は不可能」と判断し、国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針を固めました。
戦前から戦中にかけて、日本企業による徴用工は実際にあったのですが、確かに国際法に照らして一応の決着は付いています。だからといって、「1日でも早く忘却の彼方へ」という日本企業のメンタリティーが訂正されない限りは、韓国側も決して許さないはずです。