日銀の国債買入減額観測はあるが、当面の債券市場は高値警戒も出るものの、売りづらい状況となりそうである。12月4日の10年国債の入札動向にも注意したい。(『牛熊ウイークリー』久保田博幸)
※本記事は有料メルマガ『牛熊ウイークリー』2018年11月30号を一部抜粋したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。
10年国債の入札動向にも注意。長期金利の予想レンジは?
今週の動き
26日の債券先物は2銭高で寄り付き後、超長期債主体に現物債が買われ、債券先物の引けは7銭高の151円13銭となった。2025年の大阪万博の開催が決定したことを受けて、経済波及効果への期待が出てきたことなどから東京株式市場もしっかり。
27日の40年国債入札は順調な結果となり、これを受けて超長期債が買われ、20年債利回りは0.6%割れとなった。しかし、債券先物はやや高値警戒もあってか上値も限られ、引けは変わらずの151円13銭。
28日の債券市場では、株式市場がしっかりしていたことや、東京時間での米債の下落、20年債の0.6%割れでの高値警戒もあり、先物は戻り売りに押され、引けは12銭安の151円01銭となった。
28日のパウエルFRB議長の講演を受けて、利上げ打ち止めが近いとの思惑が広がり、ダウ平均は617ドル高となった。米10年債利回りは変わらずとなったが、29日の東京時間で米債は買われた。ドル円の下落もあり、債券先物は買い戻しの動きを強め、引けは20銭高の151円21銭となった。この日の2年債入札は順調な結果となった。
29日の米10年債利回りは一時3%を割り込む場面もあったが、結局、3.03%と前日の3.06%から低下。米債高などから30日の先物は151円31銭で寄り付いた。来月の国債買入の減額観測もあり、債券先物は寄り付き後、戻り売りに押され、引けは4銭安の151円17銭となった。
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