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どう見る?ジョージ・ソロスの「第3次世界大戦」警告と南シナ海の緊張

人民元の国際決済通貨化で早期に手打ちか?

しかしアメリカは、中国が妥協しやすくなる方法をメッセージとして出していた可能性が高い。

国際情勢を読む場合、事件が起こった日の前後にどのような出来事があったのか見ると、裏の流れを読むことができる。意外な出来事が相互に結びついており、そのつながりを読むと、見えなかった状況が可視化できるようになる。

南シナ海における米艦船の派遣があった前日、IMFは「特別引き出し権(SDR)」を構成する通貨に、中国の人民元を採用する方向で最終調整に入ったというニュースが流れた。主要国に異論がなければ、IMFは11月に開く理事会でこれを最終決定する。

これは、人民元を国際通貨であるSDRに採用するよう求めてきた中国の要望の実現である。中国はこれを、人民元の国際通貨化の第一歩と考えている。

ちなみにSDRとは、加盟国がIMFから金を借りたり返したりする時に利用される単位。米ドル、日本円、ユーロ、英ポンドの4通貨をもとに算出されているが、これに人民元が加わるということだ。

これは習近平政権にとっては中国の国際的な地位が高まり、「偉大な中国」の実現に一歩近づいた勝利の証しとして、国内のキャンペーンに使うことができる。これで中国国民のナショナリズムの欲求は満足されることになるはずだ。

おそらくオバマ政権は、人民元のSDR構成通貨採用を妥協のための取引材料として提示し、南シナ海の人工島の領有権の妥協を迫ってくることだろう。

筆者は、中国はこの妥協案を受け入れる可能性はかなり高いのではないかと思う。もし筆者の読みが正しければ、11月に入るとすぐに人民元国際通貨化が大きなニュースとして報じられ、中国国内でもこれを喧伝する大きなキャンペーンが実施され、南シナ海における米艦船の航行は忘れ去られるだろう。

他方中国は、妥協の証しとして、米艦船の人工島周辺海域の航行を黙認し、この海域に対する中国の領有権の主張を実質的に取り下げると思われる。

ということは、今回の米艦船の航行はジョージ・ソロスが指摘したような第3次世界大戦のきっかけではないし、深刻な事態の引き金になるような状況ではないと見たほうがよい。

次の衝突は始まっている

しかし、中国の志向する新しい国際秩序とアメリカの覇権を基礎にした既存の秩序が、なんらかの形で衝突する可能性は否定できない。だがこれは、今回の出来事が引き金になるわけではない。本当の引き金はまったく違う地域で別な形で引かれる可能性が高い。

そして、すでにそのスケジュールは決まっており、日本の「集団的自衛権」の可決の日程は、これに基づいて決定された可能性が高い。

これについては、別の機会に書くことにする。

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未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年10月30日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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