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借金は本当に悪なのか? 敏腕FPが教える良い借金・悪い借金=俣野成敏

「良い借金」とはどんなもの?

それでは、具体的にはどのような借金が良い借金と判断されるのでしょうか。

先ほどもお伝えしたように、借金で特に気をつけるべきなのは金利です。怖い借金とは、金利が高く、支払いが遅れているうちに、複利で返済金額が雪だるま式に増えていくような借金のことです。

ところが、たとえ借金をしたとしても、そのお金を使って借金の金利を上回るような利回りを得られるものに投資を行い、それによって資産が殖えていくのであれば、それは良い借金だと言えます。

事例を挙げると、住宅ローンを借りてマイホームを購入すれば、借金はしているけれども、同時に資産を持つことができます。しかも、日本の住宅ローンは頭金ゼロか、ごくわずかの頭金でも組むことが可能です。マイホームを買うべきかどうかはさておき、金利も低く、減税効果もありますので、借金の種類としては、住宅ローンは借り手に有利な借金の1つだと言えるでしょう。

対する「悪い借金」とは?

それに対して、悪い借金というのは、借金をするだけ自分の純資産(総資産−負債)を減らすようなもののことです。

たとえば、バブル時代に借金をして盛大に結婚式を行うカップルがいました。確かに、ご両親や親族の方々を喜ばせるのには良いかもしれませんが、お金の使い道としては、少々考えものです。

中にはハネムーン先で派手な夫婦喧嘩をした挙句に、帰国と同時に破局する“成田離婚”などという言葉もあったくらいで、派手な時代を偲ばせるエピソードです。

【自動貸付サービスという“甘い罠”】

普段、私たちが当たり前に使っている借金の1つにクレジット払いがあります。

クレカ(クレジットカード)利用時に気をつけたいのは、「欲しいものが手に入るうえに、現金も減らない」という点です。時々、手元に残ったお金を余剰資金だと勘違いして、後でくる支払いのことも考えずに使ってしまう人がいます。

こうしたことを繰り返しているうちに、新たな負債を抱えてしまうことがあります。一例を挙げると、銀行による「自動貸付サービス」です。

自動貸付サービスとは、一般に2つのタイプがあります。

  1. 銀行の総合口座を利用しており、かつ定期預金などを行っている人に対して、その定期預金等を担保に自動融資を行うタイプ
  2. 銀行系カードローンを利用している人に自動融資を行うタイプ

…の2つです。通常、口座開設申し込みをする際に、自動貸付サービスを付けるかどうかを選択します。

これらを利用している人が、引き落としなどの残高不足で決済できなかった際に、銀行が自動的に貸付を行ってくれる、というのが自動貸付サービスです。

確かにこれが適用された結果、決済がエラーにならなければ、利用者にとってはありがたいでしょう。とは言え、場合によっては知らない間に借金をすることになります。当然ですが、返済時には利子も一緒に払わなければなりません。

Next: 「完済して欲しくない」金融機関。自動貸付サービスが危険な理由とは?

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