fbpx

投資家は「波乱の2019年」をこう乗り切れ!持つべき3つの視点と注目銘柄=栫井駿介

(2)中国関連銘柄

米中貿易戦争の影響を直接的に受ける中国関連銘柄は、トランプ大統領の対中強硬発言が目立ち始めた2018年初から大きく値下がりしていました。中には米国企業との直接取引ができなくなったZTEなど、企業の存亡に関わる影響を受けた銘柄もあります。

足元でも、ファーウェイ(非上場)のように、米国の「中国封じ」により直接的な影響を免れない銘柄もあるでしょう。

また、対中関税の引き上げにより影響を受けるのは中国で生産を行うAppleなどのアメリカ企業が中心ですが、現地生産が鈍ることで景気減速は免れません。その傾向は工作機械の受注減速などにすでに表れているようです。

一方で、中国経済の成長を牽引しているのは、国内の投資や中間層の拡大による消費の増加です。中国の上場企業の大半は内需企業であり、米中貿易戦争の直接的な影響を免れながら成長が見込める銘柄が少なくありません。

日本の中国関連銘柄であっても、中国の内需をあてにする企業なら、消費の拡大や政府の景気刺激策により需要が見込める銘柄もあります。

成長率が鈍化したとはいえ、6%超の経済成長が見込める世界第2位の消費市場を無視することはできません。米国株に先行して下落した市場には、すでに多くの投資妙味のある銘柄があります。その中で、私が注目している企業を挙げます。

アリババ(BABA)

中国インターネット通販(EC)市場で5割超のシェア​を占め、市場の急速な拡大とともに成長。時価総額は世界トップ10入り。

中国のEC市場規模は圧倒的な世界一であり、なおかつ政府の支援を受ける国内企業にとって圧倒的に有利な競争環境。Amazonですら手を出すことができず、逆に同社はAmazonの真似をするだけで成長することができる。

インターネット市場の拡大と中間層の増加による消費の拡大の恩恵を受ける同社の優位性は当面揺るがないものと考えられる。

コマツ<6301>

米中貿易戦争による景気減速懸念で、2018年初から株価は下落傾向。一方で、PER9倍、配当利回り4%半ばと非常に魅力的な水準となっている。

建機ではキャタピラーに次ぐ世界シェアを誇り、確固たる地位を確立している。業績は好調で、今年度は過去最高の売上高・利益を見込む。近年はITを活用した現場の無人化や保守サービスに力を入れ、ますます盤石。

中国の景気刺激策により需要が増えれば景気に逆行する可能性もあり、そうでなくても長期的に見れば世界的な建機の需要は底堅い。財務状況も良好であり、長期的に安心して持てる銘柄と言える。

Next: 頼りになる「高配当銘柄」/勇気を持って投資できるかで今後10年が決める

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー