(3)高配当銘柄
高配当銘柄は、どんな市場環境でも頼りになります。株価の変動を気にせずに持ち続ければ確実に配当をもらい続けることができますし、配当の高さは株価の下支え要因となります。業績が良ければ株価が上昇することもあり、まさに一石三鳥です。
高配当株を選定する上で大切なのが、配当の継続性と配当利回りの高さです。
いくら直近の配当利回りが高くても、減配があれば受け取る配当が減るばかりか、株価も大きく下がってしまいます。そのため、業績が変動しやすく、業績連動配当を行っている企業は避けなければなりません。
過去10年以上にさかのぼって減配がなく、かつ業績が安定している銘柄なら安心して持つことができます。高配当株投資は比較的初心者向けの投資ですが、少なくともこのくらいのことは確認しなければなりません。
過去の配当が安定していて、配当利回りが高ければ理想の高配当株に近づくでしょう。5%という数字が一つの目安になります。これより高ければ株価の下値を支え、かつ受け取って満足感の得られる数字です。
株価下落により、高配当の基準を満たす銘柄がかなり増えています。これから株を始める人は、まずは配当利回りの水準を見て投資することをおすすめします。以下、参考銘柄を挙げます。
みらかホールディングス<4544>
病院から検査を受託する受託臨床検査や臨床検査薬の開発・製造・販売を行う会社。臨床検査薬の富士レビオと受託臨床検査のSRLが2005年に経営統合して誕生。
大病院の検査に強みを持ち、先天異常や染色体検査シェア7割を持つ。医療現場においては検査の重要性が高まっており、それを請け負う同社のプレゼンスは高い。
足元の業績は振るわないが、米子会社の整理や不採算プロジェクトの整理、構造改革費用など、過去の整理と将来に向けた動き。コストを大幅に削減する新施設も建設中で、稼働すれば業績改善が見込める。
12期連続増配を続けていて、財務状況も良好。それで配当利回り5%台は魅力的な水準と言える。
AT&T(T)
アメリカで第2位の携帯キャリアで1.4億件の回線契約を誇る。3位のTモバイルと4位でソフトバンク傘下のスプリントは統合により米国の携帯市場は実質3社による競争。
34期連続増配を達成し、事業内容も個人や法人向け通信事業と安定した収入が見込める。一方、9兆円にのぼるタイム・ワーナー(TWX)買収による債務増加が懸念材料。
財務不安は残るものの、携帯事業は安定し、配当利回りは7%台。米国株投資の入り口としては悪くない銘柄と言えよう。
ここで勇気を持って投資できるかどうかが今後10年を決める
ここで挙げた銘柄はあくまで参考ですが、足元の株価下落により割安な銘柄が増えています。
株価の下落は怖くもありますが、ここで勇気を持って投資できるかどうかが今後10年の投資パフォーマンスを分けると言えるでしょう。
2019年は割安になった銘柄をたくさん探し、たくさん投資する年になりそうです。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2018年12月27日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。