4月25日、野村ホールディングスが2019年3月期の決算を発表。それによると、当期損益(純損益)が1,004億円の赤字であることがわかりました。証券界のガリバー「野村」にいったい何が起きているのでしょうか?(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)
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日本の証券会社は世界で勝てない?赤字転落「2つの要因」とは
証券界の巨人「野村ホールディングス」がなぜ?
日本の証券界のガリバーとして君臨する「野村」。この野村HDが1,004億円の当期赤字となり、市場に衝撃が走っています。
直接的には、減損処理(「のれん」減損といわれる海外グループ会社の評価損)が大きな割合を占めています。
これは、LIXIL(リクシル)の巨額赤字と同様の構図ですね。
要するに、海外の景気が悪くなると、業績が悪化した海外グループ会社の価値(評価)を低く見直さないといけなくなるためです。
しかしどうも、これ以外にも構造的な問題があるようです。
もちろん、ネット証券の台頭で、昔のようには個人投資家から売買手数料を得られないという側面は、皆さまもご承知の通りです。
しかし、これだけではなく、やっかいな問題があるようです。
債券で稼げなくなった
1つには、長期金利が低くなりすぎており、この影響を受けているようです。
これは長期金利の話で、短期金利の話ではありません。長期金利が低いため、大口の投資家(企業)に期間の長い債券を買ってもらえなくなってしまっているわけです。
これは当然の話で、長期金利があまりに低いため、日本の企業などが何かの債券を買って持っている必然性がないわけです。
以前なら、手堅い米国債でも、期間が長いものは5%ぐらいの金利がありました。これと同じく、外国企業の社債とか、ドイツ国債とか、似たような金利で市場に出ていたものです。
それを「野村」はアレンジし、手配して稼いでいたわけですが、それができなくなっています。
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