失業者を「引きこもり」と呼ぶ日本
日本では、儲かっている会社でも、平気で工場移転やリストラを行っています。
トランプ大統領のように懸命にやめさせようとする政治家は、日常生活では見たことがないです。
そして、日本を見ますと、こうした負のデフレ・スパイラルが、いたるところで顕在化しています。工場の海外移転、商業施設の閉店など、これらが2次波及・3次波及しています。
家族間でのデフレ・スパイラルも波及・拡大していますが、最近ニュースでよく聞く「引きこもり」という用語は、為政者にとって実に都合の良い言葉だと感心しました。
というのは、ニュースで「失業者」「無職」と連呼すると、経済政策の失敗を責められるからです。
しかし、「引きこもり」というと、個人の問題になり、お金が無くて家にじっとしている人でも、すべて個人の資質問題にすりかえられるわけです。
「引きこもり」と言うのと、「失業者」「無職」と言うのは、まったくイメージが違います。ニュースでアナウンサーが「失業者が」「無職が」と言うのとは、大違いですね。
デフレ・スパイラルがあふれている日本
話は戻りますが、工場閉鎖や商業施設が閉店した分は、どこに行くのでしょうか?
これは工場の移転先、つまり新興国や、その新興国で開店する商業施設へ行くわけです。こちらは、雇用増加のプラスのスパイラルが生じるわけです。
ですから、日本も工場や商業施設の閉鎖を食い止めないと、どんどん景気が悪くなります。いえ、すでに悪くなっています。
つまり、インフレ率が上がるまでもっと紙幣を配らなければ、デフレは続いたままで、日本の経済力も衰退するばかりです。
よく言われる生産性や効率性は、それほど重要なポイントではありません。
海外に行ってみればわかりますが、日本の工場や商業施設よりももっと低いレベルの国はいくらでもあるのです。もちろん、向上心や改善・改良は良いことですが、それを追求してリストラや効率化を究極的に進めても、多くの失業者と、破格の報酬を得るCEOが現れるだけ。それはすでに実証されています。
それさえも、国力の衰退、国民の貧困化が全体に及ぶと、リストラ後の企業もデフレ・スパイラルに巻き込まれます。
最近の日本はこの段階にあり、リストラした大企業でも、業績が悪化しているところがかなり出てきています。