配置転換に賃下げがオマケでついてくるとはコンサルファームも想定しない事態
これまでRPAの導入にあたっては、「人がやらなくていい仕事を24時間365日文句も言わずに稼働するロボティクスソフトウェアを利用することで解決させることで、過剰な時間外労働を削減させることを実現し、手の空いた人間はより高度で人間にしかできないレベルの高い業務へとシフトすることで、社内の生産性を一段と上げるのである」というのが謳い文句だったわけです。
しかし、RPA導入の実態はどうもそういうことではなくなっているようで、「賃下げ配転」で文句も言わずに働く奴がいればラッキーで、気に入らないならさっさと辞めろという強いメッセージがビルトインされているリアルな現場の状況には、返す言葉がないのが正直なところです。
これはさすがにRPAの導入を強く促してきたコンサルティングファームのパートナーやマネージャーも寝耳に水の状況で、実に日本的な21世紀型の労働搾取モデルが完成してしまったともいえる状況ではないでしょうか。
RPAはまだAI実装でもなんでもない
RPAというのは、一定のプログラムを利用することにより、ITとITとのはざまで人が業務をつなぐことで対応していた部分を、シームレスにコンピュータが作業をしてくれるというもの。
現段階ではまだAIが実装されているわけではないことから、クリティカルな判断が伴うものは人による作業が残されているわけです。
この段階の導入ですらかなりの人員削減が実現できるとなると、ここから先AIが実装されることでさらに業務領域が拡大した場合、結果的に削減される人員はさらに増えそうな勢いで、それを考えるとぞっとさせられます。