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ブルーオーシャン戦略を成功させた、HOYA<7741>の意識高い経営の中身とは?=栫井駿介

安心して持ち続けられる会社だが、成長には大きな決断も必要

ただし、今後も右肩上がりが続くかどうかは、これもまた経営者次第です。

「小さな池」は、あまり大きくはなりません。成長を続けるためには、新たな池を次々に見つけなければならないのです。これを自力だけでやるのは容易ではありませんから、M&Aなどの戦略が求められます。

これまで小さなM&Aは行ってきたHOYAですが、会社を大きく変えるほどのものを実行したことはありません。これをするためには、ガバナンスだけではどうにもならず、経営者の大きな決断が必要になります。

幸いにも財務状況は非常に優秀で、実質無借金会社です。ここからさらに伸びるには大きな決断をするか、さもなくば配当や自社株買いで株主に還元する姿勢が求められます。

もっとも、これだけコーポレート・ガバナンスのことをわかっている会社ならそんなことは重々承知しているはずです。その点で見ていてやはり安心感があります。

株価はPER25倍とやや高めの水準です。半導体製造といった市況関連商品も抱え、今あえて投資するタイミングではないと考えます。しかし、下がった時に買うとしたら、あとは安心して持ち続けられる事業内容および経営状況と言えるでしょう。

コーポレート・ガバナンスや経営戦略の教科書にしたい会社です。

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image by: Leremy / Shutterstock.com


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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年7月19日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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