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現役世代が2000万円問題に怒りを覚えるのはなぜ?収支を見える化すれば解決する=小屋洋一

自分の収支を具体的に把握することが大切

では、今回の報告書の件で不安を感じたり、怒りを感じた方々はどのようにしたら良いのだろうか?

答えは「見える化」である。

漠然とした不安は「見える化、可視化」されることで具体的な課題に転換することができる。つまり「老後にいくら年金がもらえて、いくら使っていくのかがわからない」「結果として老後のお金が足りるのかどうかわからない」という状態を「老後は〇円年金がもらえて、〇円使う予定なので、〇円資産を持っていれば足りる(あるいは足りない)」という事を明らかにすることである。

そのうえで、足りるのであれば安心できるし、足りないのであればそれは具体的にいくら足りないのかが明らかであるために、具体的な課題として時間をかけて取り組むことができる。

具体的に作業してみよう。

まず、自分の将来の年金支給額はねんきんネットを見ればわかる。ねんきんネットのログインには最初登録が必要だが、その登録情報は毎年届く年金定期便に書かれている。

50歳以上の人は年金定期便に年金支給額が推計されているので、その数字を把握することでもよいだろう。50歳未満の人はねんきんネットの中の年金試算(簡易版)で概ねの推計額を知ることができる。

当然、結婚している世帯であれば夫婦2人の年金額が重要であるので、それぞれログインして把握した推計額を合計して、世帯の年金収入を把握することが最初の一歩である。

収入がわかれば、次は支出である。こちらは簡便法として老後の支出を現在の支出の7割と仮定することで計算できる。これは各種アンケートから老後の生活が現役生活最後の支出の7割程度であるという回答が多いことから簡便法とする。

通常老後は教育費や住宅ローンの支払いは終わっていると思いますので、その支出項目は除いたうえで7掛けで良い。

人によって、住宅ローンの支払いが老後も残りそう、教育費も退職後もかかりそうという事情があれば、それは考慮する必要がある。

あなたが老後に必要な額=あなたの年金の推計額─あなたの生活費の推計額×30年

であなたの老後2,000万円問題が明らかになるはずだ。

例えば、

夫婦の年金の推計額(20万円)-現在の生活費(30万円)×0.7=-1万円

月額1万円の赤字30年分=360万円

という具合である。

これを65歳時点で保有していれば良いのではないか?という推計が成り立つ。

ちなみにこの数字は筆者の現時点での推計額である。概ねこのぐらいの金額は用意できると思うので、「わたし」の場合は360万円問題(にはならない)ということである。

image by : >ITTIGallery / Shutterstock.com

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億の近道』(2019年8月14日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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