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東京五輪、猛暑・熱中症に打つ手なし。組織委は「最終責任者は誰か」の質問を完全無視=三宅雪子

「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」の回答

・東京2020組織委員会(以下、組織委員会)が募集・運営する大会ボランティアにつきましては、ケースバイケースの判断とはなりますが、基本的には組織委員会が責任を負うものと考えております。大会ボランティアのみなさまに対しては、熱中症を防ぐために、研修で暑さ対策に関する周知徹底を行うとともに、活動時には暑さ対策グッズとして、水や体調管理ブック等を配布する予定です。また、休憩時間を十分に取れるようなシフトの考え方を検討しております。ただ、大会ボランティアは、あくまで任意参加ですので、無理をせずにご参加いただければと考えております。なお、大会ボランティアについては、保険(組織委員会負担)に加入いたします。

観客のみなさまにつきましては、組織委員会の責めに帰すべきと判断される場合に組織委員会の責任となると考えております。組織委員会では観客のみなさまに対し暑さ対策に関する情報提供やファーストレスポンダーによる会場内の巡回のほか、仮に熱中症にかかってしまった場合に使用できる会場内医務室の設置や救急車での搬送体制など、安心して観戦できる環境整備に努めてまいります。観客のみなさまにつきましても、無理をせずにご観戦いただければと考えております。

(4)ボランティアを加入させるとしている保険の補償内容を明示してください
・検討中です。

回答:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 戦略広報課

回答がわかりづらい

まず感じたのは、組織委広報課は質問に対する回答の仕方が分かっていない、あるいはわざと分かりにくい書き方をしてくる、ということです。

通常のビジネス文書では、こちらが箇条書きで質問している場合、その項目ごとに回答するのが礼儀というものですが、そういう最低限の書式的知識・マナーが欠落しているようです。

私は過去に3回ほど組織委に質問していますが、彼らの返答はいつも上記のように雑然としています。こちらの質問にきちんと答えず、聞いてもいないことを長々と書き連ねるのが、この組織の特徴です。

初めて熱中症の責任を認めるも、しっかり逃げ道を用意

では、中身を見てみましょう。注目すべきは、ボランティアの熱中症の危険性に関しては「基本的には組織委が責任を負うものと考えている」と渋々認めた点です。組織委が、このように自らの責任の存在を認めたのは、恐らく初めてでしょう。

とはいえ「ケースバイケースの判断」「ボランティアはあくまで任意参加」という文言を入れ、無条件に責任を負うものではないことをきっちりと匂わせています。組織委にも使用者責任があると一応は認めつつ、最初から逃げ道を用意している感じです。

ですが、その任意参加するボランティアに対し、組織委は「1日8時間、連続5日、合計10日以上の勤務」という厳格な条件を出して採用しています。

そうした条件のもとで働いてくれる人々の健康を守るのは組織委に全責任があるのは当然であり、「ケースバイケースの判断」などと逃げ道を作ることは許されません

また、「大会ボランティアについては、保険(組織委員会負担)に加入いたします」などとまるで保険を用意しているから心配ないと言わんばかりです。

しかし、その保険内容については未だに検討中であるといいます。保険があるから心配するなと言って11万人以上の人々を集めながら、その内容は未だに未決定で明かせないというのは、後出しジャンケンにも似たズルさを感じます。 

Next: 観客の健康までは知らぬ存ぜぬ?/最終責任者を問う質問だけガン無視

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