TCP/IP
仮想通貨がある、インターネットのTCP/IPという情報のパケット化(細切れに切ること)による分散通信の方法も、冷戦の時代の通信網がソ連の爆撃で破壊されても通信ができる米軍のARPANETでした(1970年~1990年:米軍が開発・運営)。
パケットに分けた分散通信は、ブロックチェーンに似ています。
「通信」は太古から戦争の手段でした。大本営から前線の兵力への指令には、仮想通貨に似た「暗号化した通信」が必要です。軍用技術が民間に開放されたのが、世界の30億人がスマホで大量に使っているインターネットです。
ファーウェイ
安価なWi-Fiの通信機と安い携帯電話で最大手メーカーになったのが、中国のファーウェイ(HUAWEI:従業員17万人)であり、トランプ大統領は「情報ハッキング」を理由に、禁輸措置をとって世界にも呼び掛けたことが、対中国関税の発端になったものです。
「(TCP/IPの開発)目的は、新しいコンピュータ技術を利用して、核の脅威に対する軍事的指揮と制御のニーズを満たし、米国の核兵器の存続可能な制御を達成し、軍事戦術と管理の意思決定を改善することでした(DARPAの局長:ステファン・J・ルカシックの弁:WIKIPEDIAからの引用)
仮想通貨も、TCP/IP上でのブロックチェーンによる認証(素因数分解の速度で、ホンモノを見分ける方法)という情報技術です。
IMFの仮想通貨への態度
仮想通貨(ビットコインではなく、ブロックチェーンの仕組み)においては、通貨の主流派からも、新しい「認識の動き」が生じています。
以前から、シャネルのスーツを着るクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事(ECB:今度はユーロの中央銀行の総裁に就任)は、中央銀行だけが使っているIMFの国際通貨であるSDR(特別引き出し権:通貨バスケット)を、ブロックチェーンの電子マネー(暗号通貨)にする意向を示していました。1SDRは、今149円です。これは、いますぐにも実行は可能です。
ビットコインの価格変動は、金の3倍から6倍と大きい
といってもこれは、ビットコインとは違う、IMFが発行する仮想通貨のSDRです。ビットコインが上がり続けるという根拠にはならない。
ビットコインが長期で上がるときも、利益確定の先物の売りで、数か月から6か月は大きく下げるときが混じります。ビットコインは、金や株価より、大きな上げと下げをします(ボラティリティが高い金融商品です)。
金の価格変動の幅(ボラティリティ=標準偏差の2倍)は、1日あたりで0.5%~1%と低い。1日で、前日比で1%以上価格が動くのは、2.5%(2か月に1日)という意味になります。日経平均の株価指数は1.2%程度です、金よりは1.5倍から2倍くらい変動幅が大きい。
ビットコインの1日のボラティリティは約3%と高い。金の3倍から6倍、日経平均の2.5倍、上げも下げも価格変動が大きいという意味です。
100億SDRをIMFが貸すと、その国の中央銀行は1.49兆円分の外貨(ドル、ユーロ、円、ポンドというハードカレンシー)に交換できるというものです。ハードカレンシーは、世界の銀行である程度は安定した価値が認められ、外貨に交換できる通貨です。スイスフラン、オーストラリアドル、カナダドルもはいっています。
人民元には、資本規制(外貨交換の金額規制)があります。SDRのバスケットの構成通貨(円の8.33%を上回る10.92%)ではあっても、人民元をハードカレンシーとは世界の銀行が認めず、交換のための銀行がもつ在庫額も少ない。なお、SDRのバスケットは、米ドル41.73%、ユーロ30.93%、人民元10.92%、日本円8.33%、英国ポンド8.09%の構成比です。